
「脳にも休む時間が必要です」――。ソウルの真ん中で、何もしないことを競うユニークな大会が開かれた。盤浦漢江公園の潜水橋で5月11日開かれた「2025漢江ボーッと大会」には80チーム126人が参加し、90分間“何も考えず何もしない”という「静寂の勝負」が繰り広げられた。
精神科専門医のチョン・ウヨル氏(44)は、小学5年生の息子と共に参加。「息子が勉強やスマートフォンで脳を酷使しているので、強制的に1時間でも脳を休ませようと思った」と語った。息子のチョン・イジュン君(11)も「特に目標はないけれど、頭が疲れていたから参加した」と話した。
この大会は2016年から続くイベントで、「何もしないことにも価値がある」というメッセージを掲げている。参加者は心拍測定器を装着し、15分ごとに測定された心拍数と観客投票によって得点を競う。
参加者の職業や背景は多様で、鉄道運転士、環境公務員、社会福祉士、消防隊員らが揃い、バレリーナの衣装や軍服、ラマの着ぐるみ、ロックスタイルなどの個性的な装いも目を引いた。
この日、日本からわざわざ来韓したコメディアン、宮川大輔さん(53)は「世界中の面白いフェスを体験するのが趣味。今回は脳の整理のために参加した」と述べた。
午後4時17分、参加者全員が軽い体操をした後、競技がスタート。最初の脱落者はラマの着ぐるみを着たユーチューバー「キムラマ」で、開始18分後に自主的にリタイアした。「思ったより体力的にきつくて驚いたが、いい経験だった」と話した。
優勝はパンクロックバンド「ポゴアタック」のメンバーら。「世界を支配する気持ちで来たが、まずはボーッと大会を支配できてうれしい」と語り、予言通りの1位に歓喜した。
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