
国際NGO「国境なき記者団(RSF)」がこのほど発表した2025年版「世界報道自由度指数」において、韓国は180カ国中61位にとどまった。これは前年の62位からわずかに1ランク上昇したものの、依然として過去の高順位に遠く及ばない水準だ。
RSFは韓国について「自由民主主義国家として報道の自由と多様性を尊重しているが、伝統や企業利益が記者の監視機能を妨げることがある」と評価した。
特に懸念されているのが、政治的分断とポピュリズムの風潮による報道機関への圧力だ。RSFは「ポピュリズム的政治傾向が記者への憎悪をあおり、対立する側とみなされたメディアは非難の対象となっている」と指摘した。
また、報告書では、政権による公営放送の理事・社長の任免が編集の独立性を脅かしている点にも言及。ムン・ジェイン(文在寅)政権下の2021年、共に民主党が推進した「言論仲裁法」改正案が国際的な批判を招いたことにも触れられた。
さらに、報道機関の収益が広告に大きく依存していること、特に建設業界によるメディア買収の増加が利害の衝突を生んでいると警鐘を鳴らした。
記者に対する攻撃についても、RSFは「一般的には良好な条件で働けるが、ネット上での嫌がらせに晒されることがあり、法的支援体制が不十分である」とし、保護策の整備を求めた。
韓国の報道自由度は、2006年にノ・ムヒョン(盧武鉉)政権下で過去最高の31位を記録した後、イ・ミョンバク(李明博)政権では42位(2010年)、パク・クネ(朴槿恵)政権では過去最低の70位(2016年)まで低下。ムン・ジェイン(文在寅)政権では一時41位(2019年)まで回復したが、ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権では2023年に47位、2024年に62位、2025年には61位と低迷が続いている。
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