
韓国・済州(チェジュ)で注文だけして引き取りに来ない「ノーショー詐欺」の被害が急増し、警察が注意を呼びかけている。
済州警察によると、信頼を得やすい軍関係者や公務員を装い、文書を偽造して大口の注文をするケースが多発。現地では特に、電話やメッセージだけで予約が完結する中小店舗が多いことが背景にあるとみられる。
4月2日、済州・西帰浦市でテントを製造している業者は海兵隊幹部を名乗る人物から総額200万ウォン(約20万円)相当のテント4張の注文を受けた。相手が旅団長名義の契約書まで提示したため、業者は信用して作業を進めた。だが、納品当日になっても受取人は現れず、契約書も身分も全てうそと分かった。
済州のパン屋でも「海兵隊第9旅団の幹部」を名乗る男が抹茶クリームパン100個を注文したまま連絡を絶った。男は使い捨ての携帯を使い、「施設に寄付したと思ってくれ」「無駄な時間を過ごさないように」と開き直ったメッセージを送りつけて来た。
また、ある畜産業者は「済州刑務所の刑務官」から鶏もも肉の薫製の注文を受け、相手が指定した卸売業者から商品を仕入れるよう誘導された。公務員証や文書があったことから業者は信用し、約3000万ウォン(約300万円)をだまし取られた。
済州警察庁の関係者は「観光地の済州では忙しい飲食店や商店が予約確認を怠るケースが多く、詐欺の標的になりやすい」と指摘。「違約金や先払いなど金銭を求める予約は詐欺の可能性があるので注意が必要だ」と話している。
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