
韓国の国家情報院は、ロシア・ウクライナ戦争に派遣された北朝鮮軍約1万5000人のうち、約4700人が死傷し、そのうち600人が死亡したと推定されると明らかにした。国会情報委員会が4月30日に開いた非公開会合で国情院が説明した。
情報委員会所属のイ・ソンゴン議員(国民の力)は会合後の記者ブリーフィングで、「4700人の死傷者のうち約2000人は航空機や列車で北朝鮮に送還され、平壌などで隔離されていると確認された。派兵が長期化する中で、北朝鮮兵士の間で過度の飲酒や窃盗といった逸脱行為も報告されている」と語った。
今後の追加派兵(第3次派遣)の可能性については「現時点では明確な兆候はないが、北朝鮮が公式文書で追加支援の意向を示していたことや、特殊部隊の訓練強化などから完全には排除できない」とした。
一方、北朝鮮と米国の関係については「北朝鮮はトランプ大統領への非難は控えており、トランプ氏も融和的なメッセージを出しているため、米朝会談が電撃的に実現する可能性も排除できない」と国情院は分析している。中朝関係については「中国による北朝鮮けん制が続いており、進展は見られない」という。
また、野党「共に民主党」のキム・ビョンギ議員によると、北朝鮮は現在、ロシアから金属、航空、エネルギー、観光など14分野で産業現代化の協力を受けており、関連して1万5000人の労働者がロシアに派遣されたと推定される。軍事分野では、偵察衛星の打ち上げに関する技術支援や、無人機実機、電子戦装備、地対空ミサイル「SA-22」などをロシアから受け取っていると把握されているという。
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