2025 年 5月 5日 (月)
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次のディール相手は北朝鮮?…トランプ再登場で高まる「米朝首脳会談再開」への期待

2019年2月27日、ハノイで会談する北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記とトランプ米大統領=労働新聞(c)news1

ウクライナ戦争の和平合意が現実味を帯びる中、次なる「トランプ・ディール」の標的が北朝鮮になる可能性があるとの見方が浮上している。トランプ米大統領が外交舞台で再び存在感を強める中、米朝首脳会談再開への期待がにわかに高まっている。

スタンフォード大学のダニエル・スナイダー教授=韓国経済研究院(KEI)客員研究員=は4月30日(現地時間)、KEIへの寄稿文で「トランプ大統領がウクライナ和平をまとめ上げた場合、次に目を向けるのはキム総書記との交渉になるだろう」と分析した。

スナイダー氏は「教皇フランシスコの葬儀前、トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が非公式に顔を合わせた出来事は、これまで困難とされてきたロシア・ウクライナ間の和平に希望を与える場面だった」と述べ、その外交的影響力の転用先として北朝鮮が候補になると示唆した。

米政治メディア「アクシオス」も4月27日、トランプ政権が北朝鮮との対話再開を視野に入れ、専門家との事前協議を進めていると報じた。これにより、北朝鮮との接触再開は「初期段階」としつつも、米国内で複数の政策シナリオが検討されていることが明らかとなった。

韓国外務省で朝鮮半島平和交渉を担った経験のあるウィ・ソンラク議員(共に民主党)も「ウクライナ情勢が安定すれば、トランプ大統領の次の焦点は北朝鮮となる可能性がある」と語った。

ただ、米朝対話再開については見方が分かれる。北朝鮮がロシアと連携してウクライナ戦争に加担したとされる経緯から、戦後にプーチン露大統領が北朝鮮に米朝対話を促す、あるいは3者協議を推進する可能性もあるとの観測がある。

一方で、北朝鮮が現状維持を望み、トランプ政権との交渉に積極的に応じる可能性は低いとの冷静な見方もある。

また、スナイダー教授は北朝鮮との交渉再開における韓国の役割にも注目している。「6月の大統領選で進歩政権が復帰すれば、2018年のような密なチャネルとはいかなくても、交渉の障害にはならないだろう」と述べた。

一方で、元駐国連大使のチョ・ヒョン氏は「新政権が仮に発足しても、トランプ大統領・キム総書記の会談に核心国として招かれない可能性もある」としながらも、「我々は南北関係の回復を望んでおり、米朝会談に否定的ではない」と述べた。

スナイダー氏は「今後数週間、ウクライナからイランまで世界各地でどのような展開があるかが、次のトランプ外交の行方を左右する」と締めくくった。

(c)news1

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