2025 年 5月 4日 (日)
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韓国の地方都市、タクシー5台に1台が70代運転手…「不安」vs「働かせてほしい」続く議論

(c)news1

韓国蔚山市で、タクシー運転手の高齢化が進む中、70代以上の運転手が全体の5台に1台の割合に達していることが分かった。交通事故への不安を抱く市民の声と、生計維持を訴える運転手側の主張が対立している。

高齢ドライバーによる交通事故が相次ぐ中、規制を求める声はあるものの、法的制約や生計維持の問題から、現実的な対策には難航している。

退職後の再就職先として、年齢制限が比較的緩いタクシー業界は、高齢層の人気職種とされている。実際、蔚山市に登録されているタクシー運転手5489人のうち、65歳以上は2524人で全体の45.9%、70歳以上も1112人(20%)にのぼり、タクシー5台のうち1台は70代運転手が運転している状況だ。

最近、蔚山市蔚州で発生したタクシー単独事故も、70代運転手の操作ミスが原因と判断された。このような背景から、市民の間では「高齢運転手すべてが危険とは言えないが、やはり不安を感じる」との声や、「できれば若い運転手を選びたい」といった意見も上がっている。

一方で、運転手側は「生計のために働いているだけ」と強く反発している。タクシー業界関係者は「退職後の再就職先としてタクシー運転を選ぶケースが多く、人手不足はほとんどない」と説明。年齢制限がなく、運転免許さえあれば就業可能なため、多くの高齢者が応募しているという。

70代のタクシー運転手は「年を取ったからといって働く場を奪われたら、飢え死にしろというのか」と怒りを露わにしている。

現在、韓国では高齢運転手への免許返納を推奨する動きがあるものの、蔚山市ではタクシー業に対する年齢制限を設ける具体的な計画はない。これに対し、ソウル市は昨年、75歳以上の個人タクシー免許取得制限を盛り込んだ「タクシー運送事業発展計画案」を国土交通省に提出する意向を示している。

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