Startup Story ~~ 成功のカギ
Hallo ペ・ジュンヨン代表
スピーキングに特化したリアルタイム英語教育プラットフォーム「ハローー(Hallo)」を運営するペ・ジュニョン代表の本来の夢は、スタークラフトのプロゲーマーだった。中学生時代、校内では彼に太刀打ちできる人がおらず、学外の大会でも優秀な成績を上げたという。
しかし、高校生の時、米国に移民することになってから目標が変わった。特にビジネスをする父親の姿はペ代表のロールモデルとなった。米国の新しい文化を学ぶという楽しみを感じていた彼は、目の前にある「言語」に注目した。
「英語を学んだから留学生活もでき、いい職場で仕事もできました。夢を大きく持つためには言語を学ぶことが重要です。他の人々も自分の夢を思い、成就できるよう助けたいと思いました」。これが、ペ代表がハローを通じて実現しようとする目標だ。
「単に新しい言語を学ぶだけでなく、ネイティブスピーカーのように流暢になりたいなら、ハローが適しています。一度、クリックするだけで英語の先生から学び、他の学生と一緒に英語スピーキングを練習できます」
ハローは「ウーバー」にインスピレーションを得て誕生した。タクシーと利用者をワンストップでつなげるように、英語学習者と教育者を一度につなげるフラットフォームだ。ペ代表は2017年、米ユタ州のブリガム・ヤング大で同期だったベンジャミン・デント(Benjamin Dent)氏とハローを共同創業した。
ペ代表は、ほかの英語教育フラットフォームとは差別化されたハローの強みとして▽スピーキングに集中している点▽一対一を超えて学習者間の一対多数教育も可能なコミュニティー機能▽事前に日程を決めなくてもすぐ学習できる――の3つを取り上げた。
「多くの英語学習者はほとんどの時間をスピーキング練習より教科書で学習するのに割いています。しかし、新しい言語を学ぶ最も効果的な方法は毎日、実際に話して練習し、文化の中に打ち込むことです」。ペ代表はこう強調する。
2019年5月に開業したハローは、累積学習者が150万人を超える英語教育プラットフォームに成長した。新規登録者は毎週1万3000人ずつ増え、毎日学習者たちは平均30分間、英語で会話を交わしている。
ペ代表は、ハローのコミュニティ機能に重点を置いている。「コミュニティに基づく教育は話すことに対する恐怖を取り払い、ともに成長することと、学習を積極的に奨励する環境を作ります。目立った広告を出したわけではないのに全世界から150万人の学習者が殺到した理由がこれです」
学習者が対話相手をマッチングする際、人工知能(AI)テストで英語の実力を確認する。そして同じレベルの実力を持つ者が対話できるようにした。
ハローは昨年、中小ベンチャー企業省が主催した「K-スタートアップグランドチャレンジプログラム」に選ばれた。これを契機に、これまでインド、インドネシア、ベトナムなどを主軸としてきた活動範囲を拡大し、本格的に韓国市場に進出するという目標を立てた。
「韓国ではスピーキングと会話中心の練習が足りません。実用的な会話中心ではなく、試験をパスするための勉強をするケースが多いです。韓国の学習者がより簡単にスピーキングを練習して流暢に話せるようサポートしたいと思います」。ペ代表はこう意気込む。
一つの授業に100人まで一緒に学習できるシステムを開発し、水準別AIマッチングアルゴリズムをさらに高度化するという計画という。特にハローという企業の運営方法には、中学生時代に好んだゲーム「スタークラフト」の哲学を融合させたという。
具体的には▽資源を得て素早く投資することで、より多くの資源を得られる能力▽ライバルが何を作って何が起きるのかを把握する偵察▽同時に多くのことに集中する能力▽勝つまで挑戦する勝負欲――などだ。
「結局、ゲームというものは楽しめないと成功できない。企業家として今やっているゲーム(ハロー)を愛しています。韓国ユーザーからフィードバックを受け、ハローを楽しい学びの場として発展させていきたいです」
©MONEY TODAY