2025 年 4月 29日 (火)
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元韓国ファーストレディに向けられた検察の「二つの刃」…中央地検・ソウル高検が異例の同時捜査

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の妻キム・ゴニ(金建希)氏=共同取材(c)news1

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の妻キム・ゴニ(金建希)氏をめぐり、韓国検察が異例の二方向からの捜査を展開している。中央地検とソウル高検という、地方検察庁と高等検察庁が同時に前大統領の妻を対象に捜査するのは極めて異例で、6月3日に予定される大統領選挙を前に最終処分の時期が注目されている。

ソウル高検は25日にキム・ゴニ氏の資本市場法違反容疑に関する再捜査を決定した。昨年10月に中央地検が不起訴処分としてから約半年ぶりの再開だ。

通常、このような再捜査は地方検察庁に差し戻されるが、今回はソウル高検が捜査する方針をとった。

ドイツモーターズ事件は、キム・ゴニ氏が同社元会長のクォン・オス氏と共謀し、2010年から2011年にかけて証券口座を通じた株価操作に関与したとされるもの。大法院(最高裁)は今月2日、クォン・オス氏の有罪判決を確定させ、関連する資金提供者にも有罪判決が確定している。

憲法裁判所も13日、検察官に対する弾劾訴追を棄却したものの、「証拠収集における指揮・監督が適切であったか疑問が残る」との見解を示しており、これを受けた高検が強制捜査に踏み切る可能性もある。特に、前回の中央地検の捜査では「第3の場所」での事情聴取が問題視されており、今回はより厳格な捜査となる見通しだ。

再捜査に半年以上かかったことから、早期に処分が下される可能性もある。ただ、選挙直後に検察人事となることを考えると、捜査の長期化は政治的な影響を受けやすい状況にある。

一方、中央地検はユン前大統領が関与したとされる公認介入疑惑に関連し、政治ブローカーのミョン・テギュン氏を巡る特別捜査チームがキム・ゴニ氏の召喚を求める動きを続けている。

特別捜査チームはユン氏の大統領罷免以降、関係者の召喚を続けており、4日にはク・サンチャン元議員、コン・ジェグァン元平沢市長を参考人として召喚。これに先立ち、チョン・グァンサム大統領室市民社会首席秘書官やキム・サンミン元検事らも聴取している。

また、昌原(チャンウォン)刑務所から10日に釈放されたキム・ヨンソン元議員にも中央地検への出頭を通知した。ミョン・テギュン氏はキム元議員が昨年の総選挙前にキム・ゴニ氏に「選挙区を変更してほしい」と依頼したと主張している。

中央地検は今年2月、キム・ゴニ氏側に召喚意向を伝え、今月22日にはその弁護士に「早期に出頭して取り調べを受けるべきだ」との立場を伝えた。

ソウル高検は25日、資本市場法違反容疑の再捜査を決定する一方で、いわゆる「ブランドバッグ受領疑惑」(請託禁止法違反事件)については、再捜査請求(抗告)を棄却している。

(c)news1

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