2025 年 5月 2日 (金)
ホーム経済不動産「冷やかしだらけ」韓国不動産市場を揺るがす内見ブーム…買う気ないのに「トイレの水圧までチェック」

「冷やかしだらけ」韓国不動産市場を揺るがす内見ブーム…買う気ないのに「トイレの水圧までチェック」

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韓国の不動産市場で、物件見学を目的に団体で現地を回る“内見クルー”の存在が物議を醸している。実際の購入意欲がないまま、不動産物件や周辺環境を見学するグループが急増しており、家主や不動産仲介業者からは「時間の無駄」「業務妨害だ」との声が相次いでいる。

ソウル市銅雀区のある不動産仲介業者は「最近案内したお客が内見クルーのようだった」と振り返る。新婚カップルと名乗ったものの、細かいことばかり質問し、購入意欲は感じられなかったという。

もともと不動産投資や勉強を目的に個人で内見に出かけるケースはあったが、ここ1~2年で有料の団体内見ツアーが登場。バスをチャーターして江南(カンナム)や再建築・再開発地域を回る“スタディツアー型”の内見が増えている。オンラインストアでは、月2~3万ウォン(約2200~3300円)から、8~10万ウォン(約8800~1万1000円)の「高額内見クラス」まで、多様な商品が販売されている。

多くのクラスでは「室内には立ち入らない」としているものの、実際には仲介業者を通じて物件内部まで見学したという参加者のレビューも多く見受けられる。

ある不動産コミュニティでは「約束の時間より1時間以上も待たされ、どう見ても冷やかしだった」と家主が嘆く投稿が寄せられ、「そんなクルーを連れてくる不動産業者とは関わらない方がいい」「仲介業者もそういった客は選別すべきだ」との批判が相次いだ。

京畿道一山(イルサン)に住む30代も、昨年自宅を売りに出した際、内見クルーと思われる訪問者に遭遇。「トイレの水圧までチェックし、写真まで撮って帰った。後で仲介業者から“たぶん内見族だ”と聞かされた。週末の予定を空けて待っていたのに、時間を無駄にした」と憤った。

不動産仲介業者も苦慮している。偽の購入希望者が増えることで、真の購入希望者を見逃す可能性があり、家主も内見を嫌がるようになるからだ。ソウル市松坡区の業者は「内見クルーは基礎知識を持っていることが多く、第一印象だけでは見抜けない。軽々に判断して本物の購入希望者を逃すリスクもある」と困惑を示した。

この状況を受け、韓国公認仲介士協会は昨年11月、内見クラス運営業者に対して自粛を求める公文書を送付。今年に入り、内見料金制度の導入を示唆する動きも見せている。

これについて、延世大学校商学大学院のコ・ジュンソク教授は、「購入意思がないまま勉強目的で内見する行為は、仲介業者にとって業務妨害に当たる可能性がある。妥協案として、一定額の内見料を設定し、実際にそのエリアで売買契約を結んだ購入者には、中介手数料から内見料を差し引いて返金する方式も考えられる」と提案した。

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