2025 年 4月 26日 (土)
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北朝鮮観光、ガイドが「1対1密着ケア」で徹底統制…外国人旅行者との接触を厳しく制限

平壌を訪れた外国人観光客を案内する北朝鮮女性ガイド=YouTubeチャンネル「Matt and Julia」(c)news1

北朝鮮を訪れた外国人観光客に対し、若い女性ガイドが“1対1”で密着対応しながらも、住民との接触を厳しく統制する観光の実態が、SNSやYouTubeなどで明らかになっている。

北朝鮮旅行を最近体験した外国人らが次々とその感想を投稿しており、ガイドの統制が非常に強化されていることが分かった。ガイドらは笑顔で観光客に親切に接しつつも、住民との接触を防ぎ、内部事情についての質問には慎重な姿勢を崩さないなど、徹底的に“教育”された様子が目立つ。

今月18日、登録者約28万人を抱えるYouTubeチャンネル「Matt and Julia」では「北朝鮮(彼らが見せたくないもの)」というタイトルで動画が公開された。イギリス人とロシア人の夫婦であるマットとジュリアが、今月6日に平壌国際マラソンを含む北朝鮮観光ツアーに参加した様子を紹介している。

動画では、観光中ずっと2人のそばで案内するガイドの姿が映し出されている。場所を移動するたびにガイドは交代するが、いずれも20代と思われる若い北朝鮮の女性で、流暢な英語を話していた。ガイドは、平壌地下鉄の切符価格など、観光客の疑問に丁寧に答え、地下鉄に設置された朝鮮労働党機関紙・労働新聞の内容も解説するなど、細やかな対応を見せた。ジュリアは「初日に好きだと話した食べ物や場所をすべて覚えていて驚いた」と感心した様子を見せた。

ただ、ガイドは観光客と北朝鮮住民との接触には極めて慎重だった。ジュリアによれば、事前に「現地住民に気軽に話しかけないように」と注意を受けていたという。動画内では、外国人観光客が地下鉄駅に入ると、北朝鮮住民たちが一斉に観光客を警戒する様子が映し出されている。

マットは「5年ぶりに外国人を目にした住民たちは、圧倒されたようだ。彼らの関心を引かないようバランスよく撮影するのは難しい」と苦笑した。

「ヘヨン」を名乗るガイドは、北朝鮮の良い点を尋ねられると、「我々のリーダー(キム・ジョンウン総書記)が人々のために建てた誇らしい建物や美しい景色が自慢です」と答え、「彼を思うと涙が出ます」と指導者を賛美する発言をした。

北朝鮮は、観光による外貨獲得を再開しながらも、情報漏洩や住民との接触を懸念して、ガイドの役割を一層強化している。今年初め、コロナ禍による約5年の国境封鎖を解除し、外国人団体観光を再開したものの、住民の警戒心や情報漏洩などの副作用を懸念しているようだ。

特に、今年2月に開始された羅先地域の観光が3週間で突然中止された背景には、海外インフルエンサーを通じて北朝鮮内部の映像や情報が拡散したことが影響しているとみられている。

(c)news1

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