2025 年 4月 25日 (金)
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戦闘機が飛ぶたび、敵ではなく国民が避難する現実 [韓国記者コラム]

編隊飛行をする韓米戦闘機=韓国空軍提供(c)news1

爆弾の次は機関銃だった。いまや韓国空軍の兵器は「敵」ではなく「国民」を狙っている。空に戦闘機が飛べば、国民は地面を見て安心するどころか、不安から空を見上げ、身をすくめてしまう――。

4月18日深夜、空軍のKA-1空中統制攻撃機に装着されていた機関銃(ガンポッド)が江原道・平昌の山間部に落下した。わずか1カ月前、京畿道抱川ではKF-16戦闘機が爆撃訓練中、実弾を民家近くに誤って投下したばかりだ。

幸いにも今回は落下地点が山林だったため大事には至らなかったが、もし民家に落ちていたら――。またしても「晴天の霹靂」となるところだった。

今回も原因は操縦士による操作ミスだとされている。抱川での誤爆も、座標入力の誤りという人的ミスが原因だった。

当時、空軍は再発防止策として全基地における航空武装の取り扱い要員への安全教育や確認手順の強化を約束した。

だが、その言葉は守られなかった。今また「再発防止策」を口にしても、もはや信じる術がない。

今回、空軍は全機種の飛行を一時中止するという前代未聞の措置を取った。これは国民の不信感を高めるだけでなく、韓米合同訓練の中断、さらには国家安全保障にも悪影響を及ぼす重大な事態だ。

イ・ヨンス空軍参謀総長は抱川の誤爆事故当時、操縦士と指揮官を厳しく叱責し、「責任の軽視」という言葉で危機感を表明していた。「もう少し責任ある姿勢で訓練に臨んでいれば、事故を防げた」との指摘だった。

だが、その警告は現場には届かなかった。むしろ、その言葉をあざ笑うかのように、さらなる事故が起きた。

空軍の指揮官たちは、国民の視線も総長の指示も「自分の仕事ではない」と背を向けてきた。その無責任な姿勢こそが、今回の事態を招いたのだ。

反省だけでは足りない――今こそ、真の責任を取る時である。【news1 キム・イェウォン記者】

(c)news1

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