2025 年 4月 28日 (月)
ホーム経済流通韓国“かつての外食王者”ピザチェーンの明暗…生き残るドミノ・パパジョーンズ、苦境続くピザハット

韓国“かつての外食王者”ピザチェーンの明暗…生き残るドミノ・パパジョーンズ、苦境続くピザハット

ソウル市内のピザ店舗(c)news1

かつて韓国の外食文化を象徴したメニューだった「ピザ」が、急速な市場の変化に直面している。2000年代までは“外食の代名詞”だったのが、今や多様化する消費者トレンドと配達プラットフォームの激化する競争の中で、1世代ピザフランチャイズ各社の明暗がくっきりと分かれている。

金融監督院の電子公示によると、ドミノ・ピザを運営するチョンオDPK社は昨年、売り上げ2012億ウォンを記録し、前年とほぼ同水準を維持。営業利益は前年比42%増の70億ウォンに達し、景気低迷や原材料価格の上昇といった逆風の中でも堅調な成績を収めた。

韓国パパジョーンズも業績改善を見せた。昨年の売り上げは719億ウォンで前年比5.6%増となり、初めて700億ウォン台を突破。営業利益は34億ウォンとやや減少したが、黒字を維持し、安定した成長を続けている。

一方、かつて韓国ピザ業界1位を誇った韓国ピザハットは、“差額フランチャイズ料”をめぐる加盟店との対立が続き、業績悪化が予想される。

2022年から赤字が続く中、裁判所は昨年、ピザハット本部が事前の同意なしに差額を上乗せして加盟店に原材料を販売した行為を「不当」と判断し、約210億ウォンを返還するよう命じた。これにより資金繰りが悪化し、ピザハットは2023年11月に企業再生手続き(法定管理)に入り、現在は再建計画の提出と並行してM&Aも模索中だ。

こうした変化は、各社の加盟店舗数にも明確に表れている。ドミノ・ピザは昨年時点で369店舗を維持し、パパジョンズは226店から239店に微増。一方、ピザハットは297店から238店へと1年間で40店舗以上減少した。

業界では、こうした栄枯盛衰の背景には単なる景気の波だけでなく、配達中心に再編された外食産業の構造変化があると分析している。配達アプリの普及で選択肢が増え、マーケティングや新商品投入に機敏に対応できなければ、たとえ有名ブランドでも消費者に見放されるリスクが高まっている。

さらに、1人世帯の増加と“コスパ志向”の高まりにより、低価格ピザブランドの台頭も激しい。「No Brand Pizza」「PAIK BOY PIZZA」など、1人向けを想定した新興ブランドが急速に拡大しており、既存フランチャイズにとっては強力な競争相手となっている。

業界関係者は「もはやブランド名だけでピザが売れる時代ではない」と指摘。「選択肢が増えた今、メニュー開発やマーケティング、配達への最適化に素早く対応できなければ、どれだけ知名度の高いブランドでも淘汰されかねない」と述べた。

(c)news1

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