
国際通貨基金(IMF)は22日発表した最新の世界経済見通しで、2025年の韓国の国内総生産(GDP)成長率予測を従来の2.0%から1.0%へと1ポイント引き下げた。米国発の関税政策による通商環境の悪化が主な要因で、韓国経済への影響が想定より深刻であることを示している。
また、2026年の成長率見通しも2.1%から1.4%へと0.7ポイント引き下げた。
IMFは毎年4月と10月に全加盟国を対象とした主要経済見通しを発表しており、今回はその最新版となる。韓国の成長率見通しは、今年1月時点の2.0%からわずか3カ月で半減となった。背景には、米国政府が推進する相互関税措置による貿易摩擦の激化など、政策の不確実性がある。
これまでアジア開発銀行(4月)、経済協力開発機構(3月)、韓国銀行(2月)はいずれも韓国の今年の成長率を1.5%と予測していたが、今回のIMFの下方修正で主要機関の予測水準を下回ることとなった。韓国銀行は今月の金融政策決定会合で第1四半期のマイナス成長リスクを示唆し、来月の成長率見通しの大幅な引き下げを示唆している。
一方、グローバル投資銀行(IB)8社による韓国の成長率の平均予測は1.35%だが、モルガン・スタンレー(1.0%)、JPモルガンやシティ(0.8%)など、0%台を見込む機関も増えている。
今回のIMF予測には、相互関税措置の影響は反映されているが、その後発表された90日間の関税猶予措置の影響は加味されていない。
IMFは、今回の見通しでトランプ米政権による政策不確実性の高さを考慮し、これまでの「単一見通し」方式に加え、基準時点別に異なる「補完見通し」も併記した。基準見通しは4月4日時点の情報に基づいており、相互関税発表前(4月2日)の第一補完見通し、関税猶予と米中報復関税措置が取られた後(4月9日)の第二補完見通しを示している。ただし、補完見通しでは国別・地域別の詳細は示されなかった。
(c)news1