
韓国・世宗市(セジョンシ)の保育園で、おむつに付着した大便を保育士に擦り付けたなどとして40代の保護者に控訴審で実刑判決が下され、その場で身柄を拘束された。告訴していた保育士が18日に放送されたJTBCの報道番組「事件班長」に出演し、当時の状況と判決に対する心境を明かした。
大田(テジョン)地裁は17日、傷害の罪に問われた被告に懲役6月の実刑判決を言い渡した。1審判決は懲役6月・執行猶予2年で、検察が控訴していた。
裁判所は「社会通念に照らしても、排せつ物を他人の顔に意図的に付着させる行為は相手を侮辱する意図があるものと判断される。顔や髪に排せつ物が大量に付着するほど擦りつけた点で悪質性が非常に高い」と指摘した。
事件は2023年9月、子ども同士のトラブルがきっかけで発生した。保護者は、自分の子どもが別の園児から首をつねられたとして、保育士を児童虐待で通報。その後、教員と園長が病院で事情説明した際、暴行があったという。
保育士は「トイレに連れて行かれ、そこで保護者は袋からおむつを取り出して一枚一枚広げ始めた。なぜ開いて見せるのかと思った瞬間、擦りつけてきた。平手打ちするように投げつけて去っていった」と証言した。
一方の被告の保護者は「あんなにも平然と謝罪されたら、理性を失って当然だ。感情に流された」と語り、突発的だったと主張した。
保育士は「加害者は反省しておらず、むしろ裁判で自分が被害者のように振る舞った」と憤りをあらわにし、「虚偽の虐待通報でも保育士は捜査を受け、悪いうわさが立って保育園が閉鎖に追い込まれることすらある。こうしたことが二度と起こらないよう望む」と訴えた。
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