2025 年 4月 22日 (火)
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「韓国版シリコンバレーを創る」…韓国財閥リーダーが示した“メガサンドボックス”構築の四つの条件

KBS 1TVのドキュメンタリー番組に出演したSKグループ会長兼大韓商工会議所会頭のチェ・テウォン(崔泰源)氏=2025年4月12日放送画面キャプチャ(c)news1

韓国の大手財閥SKグループのチェ・テウォン(崔泰源)会長は12日、米シリコンバレーに匹敵する「K-メガサンドボックス(Mega Sandbox)」を韓国で構築するためには「就職保証型教育」「AIインフラの整備」「ネガティブ規制への転換」「大胆なインセンティブ」の4つが不可欠だと提言した。

同日放送されたKBS 1TVのドキュメンタリー番組「未来社会への道、メガサンドボックス」に出演したチェ・テウォン氏は、全国に1000以上存在する「規制特区」が地域経済の活性化につながっていない現状に触れ、「ゴルディオスの結び目」(思い切った手段を用いないと解決できない課題)を断ち切るような抜本的な解決策が必要だと強調した。

番組では、特区に指定された大邱(テグ)や羅州(ナジュ)などにAIや再生可能エネルギー関連企業が集まりつつも、人口流入が乏しく、空きビルだけが増加している現実を取り上げた。特に企業側からは、過剰な規制が大きな障害になっているとの声が多く、一部スタートアップは自律走行車の試験地として規制の緩い米テキサス州を選んでいるという。

チェ・テウォン氏は「AIがあらゆる産業を変革するこの時代に、韓国経済もビジネスモデルそのものを刷新する局面にある。すべての問題を同時に、包括的に解決する“ターンキー型”イノベーションが必要だ」と述べた。

その“ターンキー型”イノベーションに不可欠な次の4つの要素を挙げた。

・就職保証型教育制度の導入「人材育成は、大学段階から職業とマッチングさせるべきだ。学生に地域内での就職を保証し、キャリア形成とともに文化的インフラの整備も進める必要がある」

・AIインフラの構築「全国のどこかに本格的なAIインフラを設置し、地域に必要な製造AIの研究・開発・データ収集を集中的に進められる環境を整えるべきだ」

・ネガティブ規制への全面転換「“これをしても大丈夫ですか?”という問いに“何でもやってください”と答えられるような、開かれた規制制度が必要だ」

・大胆なインセンティブの提供「地方自治体が企業のニーズに応じてインセンティブを提供し、国内だけでなくグローバルな需要を呼び込める仕組みを構築すべきだ」

チェ・テウォン氏は「問題を一つひとつ個別に解決する“ピースミール”方式ではなく、すべてを一気に解決する“ホリスティック”なアプローチが必要だ」と述べ、韓国社会が直面する低出生率・高齢化・グローバル供給網の変化といった複合的課題に対応するには、これらの要素を一体的に実行する必要があると力を込めた。

(c)news1

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