2025 年 4月 20日 (日)
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韓国大統領罷免の憲法裁判官2人が退任…「憲法機関の地位確立」

2025年1月7日、憲法裁判所を出るムン・ヒョンベ氏(左)とイ・ミソン氏(右端)(c)news1

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)氏の大統領職罷免の決定を主導したムン・ヒョンベ憲法裁判所所長代行(60)とイ・ミソン裁判官(55)が18日、任期6年を終えて退任した。両者は在任中に11件の弾劾審判を担当し、憲法裁判所の存在感を高めたと評価されている。

ムン・ヒョンベ氏は釜山高裁部長判事を経て、2019年に当時のムン・ジェイン(文在寅)大統領によって憲法裁判官に任命された。2023年10月にイ・ジョンソク所長が退任して以降は所長代行を務め、ユン氏の弾劾審判では裁判長を担当した。

公職者腐敗捜査処法(通称・公捜処法)に対しては合憲意見、文化界「ブラックリスト」問題には違憲意見を出すなど、進歩的な法解釈が目立った。また、政府が2031年以降の温室効果ガス削減目標を提示しなかったことが国民の基本権侵害に当たるとする判決は、アジアでは初めて環境政策の違憲性を認めた決定となった。

ただ、ムン・ヒョンベ氏は進歩系裁判官の集まり「我らの法研究会」の元会長という経歴から保守層の批判を受けたことがある。また最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)前代表と過去に交流していたこともあり、SNS上では公正性に疑問を呈する声もあった。

イ・ミソン氏も2019年、ムン・ジェイン大統領により任命され、ムン・ヒョンベ氏と同じく、進歩性向とされる「国際人権法研究会」の創設メンバーだ。任命時には大量の株式保有や未公開情報による取引疑惑が浮上したが、2020年に不起訴処分となった。

在任中は弾劾審判10件すべてでムン・ヒョンベ氏と一致した意見を示し、特に2023年のイ・サンミン行政安全相や、ユン氏に関する案件でも同様の立場を取った。自身の弟が進歩系弁護士団体「民主社会のための弁護士会」のユン退陣特別委員会副委員長を務めていたことから、回避申請も出されたが、憲裁はこれを退けた。

法曹界では「大統領罷免や首相の裁判官指名効力停止といった政治的課題に対して相次いで判断を下し、憲法機関としての存在感を高めた」との声も出ている。

(c)news1

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