韓国統一地方選(6月1日)が大統領選のため存在感が落ち、世宗(セジョン)市長選の挑戦者らが戦々恐々としている。すべての政治的関心が大統領選挙に集中しているうえ、各政党の指針に従って個人の選挙運動も事実上禁止されたからだ。
世宗市の選挙管理委員会によると、市長選に出馬するために登録した候補は8日現在、1人もいない。教育監の候補5人だけが登録している。
公職選挙法上、道知事(広域市長)と教育監選挙は選挙日前120日から候補登録ができるため、1日から登録を受け付けている。候補に登録すれば選挙事務所を設置(看板・垂れ幕掲示)し、選挙事務員を置くことができる。また、選挙運動用の名刺を配ることができ、メール送信、広報物発送、後援金募集が可能だ。後援会の設置と後援金の募金なども制限範囲内でできる。新人政治家には顔を知らせる出発点が候補の登録だ。
しかし、革新系与党「共に民主党」や保守系最大野党「国民の力」など主要政党が、大統領選挙日まで地方選挙出馬者は個人選挙運動を禁止するとの指針を出し、「候補ゼロ」というおかしな状況になっている。実際、共に民主党の場合、ぺ・ソンホ世宗(セジョン)市党副委員長、チャン・チョンギュ世宗(セジョン)発展研究所長が先月、出馬を宣言したが、候補登録はしなかった。公認の権限を握る党中央の指針を無視することができず、戦々恐々としているのだ。
「国民の力」の状況も変わらない。6人も候補に挙がるほど競争が激しいが、公認争いは水面下にとどまっている。先月26日にYouTubeで出馬宣言をする予定だったソン・ソンジェ(成宣帝)弁護士は当日、突然延期を告知した。「党で大統領選挙前には個人の選挙運動はするなという指示を受けた」とその理由を明らかにした。
「共に民主党」所属のある出馬予定者も「今は党が先、自分は後という考えが必要な時点だ。大統領選でイ・ジェミョン(李在明)候補と党が国民の選択を受けることが先」として、候補登録先送りの方針を伝えた。
幸福都市設計者のイ・チュニ(李春熙)市長が3選挑戦を事実上宣言した中、熾烈な戦いが予想される世宗市長選は、大統領選までは休戦状態が続くと予想される。新人政治家や支持率の低い政治家は、新型コロナの余波に加え、大統領選まで自分を知らせる機会がその分減ることになり、焦りの表情だ。
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