2025 年 4月 19日 (土)
ホーム社会時速1200km、ソウル~釜山を20分で結ぶ「ハイパーチューブ列車」…韓国で開発が本格始動

時速1200km、ソウル~釜山を20分で結ぶ「ハイパーチューブ列車」…韓国で開発が本格始動

ハイパーチューブシステムの概念図=国土交通省提供(c)NEWSIS

韓国政府が「ハイパーチューブ列車」の核心技術に関する研究開発に本格的に着手する。

「ハイパーチューブ」とは、真空に近い「亜真空」(0.001~0.01気圧)のチューブ内を、磁気浮上技術を用いて車両を浮かせ、列車と線路の間に生じる電磁力で高速走行させる次世代型交通システムだ。

国土交通省は9日、ハイパーチューブの核心技術である磁気浮上推進技術の開発に着手すると発表した。事業期間は2027年までで、事業費は127億ウォン(約14億円)。主幹研究機関は韓国鉄道技術研究院が務める。

ハイパーチューブは、飛行機よりも速く、環境にやさしく、天候の影響を受けにくいという利点がある。

最高速度は時速1200kmで、飛行機(約900km/h)や高速鉄道(約300km/h)を上回る。二酸化炭素の排出量は、飛行機が1kmあたり285g、高速鉄道が73gであるのに対し、ハイパーチューブは0gと非常に低い。

現在、高速鉄道(KTX)ではソウル駅から釜山駅まで1時間52分かかるが、ハイパーチューブを利用すれば20分以内で到達でき、地域間の接続性を飛躍的に向上させる「夢の交通手段」とも称されている。

特に、ハイパーチューブの超格差技術(他国との技術的な差別化)を実現するには、高速で車両を走行させる磁気浮上・推進技術と、極限の亜真空環境(0.001~0.01気圧)を維持することが鍵となる。

このため、走行用チューブの設計・施工技術に加え、客室の気密性を維持し、安定した乗り心地を提供する車両の設計・製造技術などの開発が進められる。

国土交通省によると、今回の研究開発では磁気浮上・推進技術の開発を中心に、専用路線、超伝導電磁石システム、走行制御技術、車体設計・製作などの4つの細分化された技術分野で開発を進め、列車の浮上と推進を検証する。

ユン・ジンファン国土交通省鉄道局長は「今回の研究開発は『レール上の飛行機』とも呼ばれるハイパーチューブ技術に向けた第一歩であり、地域の均衡発展や人口減少による地方消滅の危機を解決するための一助になる。『夢の鉄道』技術であるハイパーチューブの開発により、グローバルな鉄道競争市場をリードし、世界各地に広がっていくことを期待している」と語った。

(c)NEWSIS

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