
韓国のコンビニエンスストアが、いまや“化粧品の名所”として変貌を遂げつつある。従来の基礎化粧品を超えて、今ではカラーコスメまで取り揃え、「家の近くのビューティープラットフォーム」としての役割を果たし始めている。
GSリテールが運営するGS25では、最近ファッションプラットフォームMUSINSA(ムシンサ)と提携し、メイクアップブランド「WHIZZY」の製品を試験的に販売開始した。「WHIZZY」はMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)をターゲットにしたブランドで、「簡単・手軽なメイク」をコンセプトとしている。今回の提携では、ティントやリップ&チークなど計8種類が用意され、主要20店舗で販売中だ。
また、GS25はDXLAB店やニュアンニョン仁寺洞店など一部店舗にビューティー専用コーナーを設置。WHIZZYに加え、お手頃価格の基礎化粧品も取り揃えた“小型ドラッグストア”のような空間を実現している。
BGFリテールが展開するCUも動きを見せている。今年1月からはカラーコスメラインを拡大し、リップティントやリップグロスを小容量パウチタイプで提供。全製品は3000ウォン以下に価格設定され、“コスパ重視”の消費者ニーズに応えている。現在は「リップカラーティント(ウォームレッド/クールピンク)」「リップグロス(クリア)」「オールインワンスキンローション(15ml・1500ウォン)」の計4製品を販売中だ。
このようにCUが小容量ラインナップを強化する背景には、コンビニでの化粧品購入ニーズが年々高まっているという実績がある。CUの年間化粧品売り上げ成長率は、2022年に24.0%、2023年に28.3%、2024年にも16.5%と、3年連続で2桁台の成長を記録している。
さらに、セブンイレブンも昨年10月にファッション・ビューティー専門チーム「セブンコレクトチーム」を新設し、商品開発に着手している。
こうしたコンビニ業界の積極姿勢は、“軽く、即時的な消費”を志向するMZ世代の特性と深く関係している。計画的な買い物よりも、衝動的・即興的な購買行動を好む若い世代にとって、すぐ近くで手に入るチャネルとしてコンビニは最適なのだ。
そこに「コスパ」や「ブランド多様性」が加わることで、コンビニは単なる消費空間ではなく、日常の“実用的選択肢”として再定義されつつある。
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