
米政府は、韓国全羅南道新安にある太平塩田で生産された天日塩について、強制労働の疑いがあるとして輸入を禁止した。米国土安全保障省傘下の税関・国境警備局(CBP)は2日(現地時間)、対象製品に「輸入保留命令(WRO)」を発令し、米国内すべての港での輸入を停止した。
太平塩田は韓国最大規模の塩田で、多くを民間業者に委託している。一方で過去には、知的障害者らを使った強制労働、いわゆる「塩田奴隷」事件が社会問題となっていた。
CBPは調査で、国際労働機関(ILO)の定義する11の強制労働指標のうち複数が該当すると確認した。具体的には、労働者の脆弱性の悪用、身分証の没収、移動制限、劣悪な労働・生活環境、暴力や脅迫、賃金未払い、長時間労働などが含まれていた。
韓国製品が強制労働を理由に米国から輸入禁止を受けるのは初めて。CBPは「強制労働で生産された製品は米国市場に受け入れられない」と述べ、不公正な取引慣行を排除する姿勢を示した。
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