
不倫関係から生まれた韓国の40代女性が、自身の出生と戸籍をめぐる複雑な経緯をJTBCの番組で語った。
母親と既婚男性の間に生まれた女性は、両親の戸籍に入ることができず、母の兄である伯父の戸籍に登録された。だが育ての親は高齢の祖父母で、女性は貧困とネグレクトの中で成長した。親戚からも冷たい言葉を浴びせられてきた。
祖父母の死後、唯一の“親族”とされた伯父は、女性の結婚の際にも距離を置き、最近になって「戸籍から出て行ってほしい」と通告した。理由は「生活保護の申請ができないため」という。女性は区役所に相談し、法的手続きに乗り出した。
手続きを進める中、40年ぶりに実母と再会したが、「今の家族には知られたくない。死んでも会いに来るな」と拒絶された。
女性は「頼れる血縁者は誰もいない。せめて夫の姓を名乗れれば」と語り、現行制度に対する苦悩を明かす。
法的には、母親が生存している限り、親子関係は維持され、相続権も消えない。
一方で配偶者の姓への改姓には家庭裁判所の許可が必要で、制度の壁が立ちはだかる。専門家は「このような事例を通じて、法的・社会的支援の在り方を見直すべきだ」と指摘している。
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