2025 年 4月 8日 (火)
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トランプ再登場で韓国防衛産業にチャンス到来…韓国の専門家、米国とのMRO協力強化を提言

韓国陸軍提供(c)news1

「アメリカ・ファースト」を掲げる第2次トランプ政権において、韓国の防衛産業がグローバル市場で影響力を拡大するためには、米国との艦艇の保守・修理・オーバーホール(MRO)協力を強化しつつ、中東や欧州など新たな市場を開拓する戦略が必要だとする専門家の提言が出された。

韓国国防研究院(KIDA)のキム・ドンボム研究委員は4日、「トランプ政権の発足と韓国防衛産業の対応戦略、グローバル市場の機会」と題する報告書を発表した。報告書では、防衛産業が輸出先国の軍事力強化に寄与し、外交的パワーバランスにも影響を与える「国家安全保障の核心ツール」としての役割を強調した。

特にトランプ大統領は選挙公約で「中国とイランに対する強硬路線」を明示し、同盟国には防衛費の負担増と自立的な安全保障態勢を求めている。キム委員は、米国が造船業の衰退により熟練労働力やインフラの確保に苦慮している点に注目し、韓国がそのギャップを埋めるパートナーとなるべきだと主張した。

中国が「海洋強国」を掲げて潜水艦など海上戦力を強化している一方で、米国は技術力では優位に立ちながらも運用面では人員や施設の不足が足かせとなっている。この点において、韓国が信頼性のある艦艇運用パートナーとなる余地があるという。

実際、トランプ氏は大統領当選後のユン・ソンニョル(尹錫悦)氏との電話会談で「造船協力の強化」を言及しており、韓国が米国の戦略的MROパートナーと見なされている証左だと分析されている。

キム委員は、両国間で「相互国防調達協定」(RDP-MOU)を早期に締結し、韓国企業が米国市場で競争できる環境を整える必要があると指摘。さらに、米国の「ジョーンズ法」を改正し、生産量の一部を韓国と米国の造船所に分配することで、韓国防衛産業の持続可能性を確保すべきだとした。

ジョーンズ法とは、米国内の港間輸送に従事する船舶が「米国内で建造され、米国人が所有・運航すること」を義務づける法律だ。

また、キム委員は新市場の開拓の重要性も強調した。トランプ政権が北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対して国防費の増額を強く求めているため、防衛需要が拡大している欧州市場に対し、韓国の防衛技術力を積極的に売り込む必要があるとした。

さらに、米国がイランや中国に接する中東、台湾、東南アジア諸国への軍事支援を強化する可能性が高く、韓国がこれら地域の防衛需要に応える戦略が求められるとした。中東では石油関連施設を守るための防空システムやドローン、東南アジアでは中国との海上紛争に対応するための装備需要が明確に存在しているという。

キム委員はまた、近年、F-35戦闘機の高価格に対して米国内でも批判が出ている点に触れ、米国の国防政策において「無人体系による高コストパフォーマンス」が重視される流れが強まっていると指摘。韓国としても価格競争力を高め、調達・運用コストの効率性を見直すことで、持続可能な輸出と市場占有率の確保に努めるべきだと締めくくった。

(c)news1

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