
韓国南部で発生した史上最悪規模の山火事による甚大な被害に、北朝鮮も強い警戒感を示している。北朝鮮は今年春、乾燥した天候と強風が続いていることを理由に、全国各地に「山火事危険警報」を初めて発令した。
朝鮮中央テレビは4月1日、先月29日から4月3日までにかけて、平壌をはじめ平安南道・北道、南浦、黄海南道・北道、咸鏡南道・北道など全国大部分の地域に同警報を発令したと報道した。「今年の春は降水量が少なく、例年よりも天候が乾燥しているうえ、強風が頻発しているため、山火事の発生リスクが著しく高まっている」として、警報の背景を説明した。
北朝鮮では例年、春の山火事リスクに備えて警戒態勢を強化しているが、公式に「警報」を出したのは今回が初めて。韓国統一省も「北朝鮮がこれまで山火事のリスクについて報じたことはあるが、警報の発令は今回が初と確認される」と述べた。
北朝鮮で実際に山火事が発生したとの報道はないが、今回の措置は3月21日に韓国・慶尚南道山清郡で発生した大規模山火事を強く意識したものである可能性が高い。
インフラや装備が不足している北朝鮮にとって、山火事の防止と初期消火は国家的な優先課題となっている。北朝鮮メディアは「森林監督部門をはじめ、関係機関が対策を徹底し、登山規制や危険区域の監視体制、通報体制を厳格に整備する必要がある」として、連日のように国民に注意を呼びかけている。
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