2025 年 7月 12日 (土)
ホーム経済流通「煮るより炒める」…韓国で急成長する“非スープ系ラーメン”

「煮るより炒める」…韓国で急成長する“非スープ系ラーメン”

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韓国のラーメン市場で長年中心だった「スープ系ラーメン」の勢いが揺らぎ、「非スープ系ラーメン」が急成長を遂げている。従来のピリ辛スープの人気から、手軽で多様な味が楽しめる“汁なし”タイプのラーメンへと消費者の嗜好が変化している。

これまで「辛ラーメン」「ジンラーメン」「三養ラーメン」といったスープラーメンの定番商品が主流だったが、その勢力図が変わりつつある。非スープ系ラーメンが人気を集める背景には、調理の簡便さと独特なコンセプトによる差別化がある。かつては万人受けする無難な味が好まれたが、現在は明確なターゲット層を意識した個性ある商品がヒットしやすい。

その代表例が、三養食品の「ブルダックポックンミョン(激辛炒め麺)」だ。2012年4月に発売されたこの製品は、強烈な辛さで国内外のMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)の支持を獲得し、“非スープ系ラーメンブーム”の先駆けとなった。

スープラーメンの雄・農心もこうしたトレンドに対応しており、非スープ系の「ベホンドンビビン麺」は、2021年のブランド立ち上げ以来、同じ広告モデルを継続起用し、ブランドの認知度を高めている。

新商品も続々登場している。三養食品は最近、「メプテン・クールスパイシービビン麺・キムチ味」を発売した。特製コチュジャンソースに東南アジア産のキュベブペッパーを加え、爽やかな後味を演出。キムチと野菜のフレークでシャキシャキした食感もプラスした。

ハリムは「ヨンガリブルビビン麺」「ヨンガリブルポックンミョン」の人気に続き、辛さにカルボナーラ風クリームを加えた「ヨンガリブルポックンミョン・カルボナーラ(カップタイプ)」を発売。辛さを約10%抑え、辛いものが苦手な人でも楽しめるよう配慮した。

スープ系定番商品の派生バージョンも増えている。農心は「辛ラーメン トゥンバ 大カップ麺」でスープなしバージョンに挑戦。パルドは「オリジナルビビン麺」をベースにしたアップグレード版「パルドビビン麺Ⅱ」を投入し、選択肢を広げている。

業界関係者は「ラーメン市場も、かつてのように“国民的ラーメン”一強ではなく、特定ターゲットを狙った細分化戦略が求められる時代だ。非スープ系ラーメンはこの流れにうまく乗っており、今後も安定した成長が見込まれる」と語った。

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