2025 年 3月 19日 (水)
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AIが生んだ「履歴書の洪水」…韓国など企業の採用担当者を悩ませる“無差別応募”

imagetoday(c)KOREA WAVE

生成型人工知能(AI)で作成された履歴書が原因で「履歴書の洪水」現象が発生していることが明らかになった。また、企業は不適格な履歴書をふるいにかけるのに平均9.24日を費やしていることが調査で分かった。

グローバルHRソリューション「リモート(Remote)」は18日、世界の企業リーダーや採用決定者4126人を対象に実施した調査結果を公開した。

リモートは、世界の企業の人材管理動向を把握するため、英国の調査会社「センサスワイド(CENSUSWIDE)」に依頼し、日本、韓国、オーストラリア、米国、英国など10カ国の企業リーダーや採用決定者を対象に調査した。

その結果、企業は「応募者数の急増」「地域人材の不足続き」「急速に変化する労働市場」などにより、効率的な採用がますます難しくなっていると回答した。

応募者数の急増には、ChatGPTなどの生成型AIの発展が大きく影響していることが判明した。調査に参加した回答者の4分の1は、生成型AIの商用化に伴い、処理しきれないほどの履歴書を受け取ることがあると答えた。また、65%の回答者が「不適格な応募者が大幅に増えたように感じる」と答え、74%がこれを深刻な問題と認識していた。

AIの発展により履歴書作成が容易になったことで、一部の求職者が無差別に複数の企業へ応募する「無差別応募」を仕掛けていることが分かった。

73%の回答者は、過去6カ月間に生成型AIで作成された履歴書に虚偽の情報が含まれていたのを発見した経験があると答えた。応募者数は急増しているものの、38%の企業は適切なスキルを持つ人材を見つけるのに依然として苦労していると回答した。AIを活用した応募書類が増えたことで、企業は履歴書の審査に、より多くの時間を費やし、適切な人材の発掘が困難になっているようだ。

一方、回答者の4分の1にあたる企業は、AIによる問題をAIで解決する方法を採用していた。適切な応募者を見つけ、選別する過程でAIを活用しているという。これにより、大量に届く履歴書の中から要件を満たす応募者を迅速に絞り込んでいるわけだ。今回の調査に参加した韓国企業300社以上のうち、約22%が人材選別にAIを積極的に活用していると答えた。また、32%の企業は事前評価テストを導入していると回答した。

リモートのCEO兼共同創設者のジョブ・ファン・デル・フォールト氏は「求職者はAIを活用したツールを積極的に使っている。履歴書の提出時の『クイック応募』のような機能が一般化することで、要件に合わない履歴書が大量に送られてくる問題が発生している」と指摘している。そのうえで「企業は膨大な応募書類の中から適切な応募者を素早く選別するため、あるいはより適した人材を見つけるために、新たなAIソリューションを導入している。スキル検証や管理業務のサポート分野でもAI技術の活用が急速に進んでいる」との認識を示した。

(c)KOREA WAVE

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