非対面の交通手段、通勤・レジャー用に
ソウル市民が、変わりゆくソウルの風景を選ぶとしたら? おそらくソウル市のシェアサイクル「タルンイ」を挙げる人が多いでしょう。大都市のソウルで通勤や日中の移動でもタクシーの代わりにタルンイに乗る人が増えています。ソウルにお目見えして6年。今も身近な交通手段として進化しているタルンイについてみてみよう。(シリーズ2/3)
◇家族連れや友達同士で
ソウル市のシェアサイクル「タルンイ」の利用者が毎年増えている理由は、通勤など生活交通手段として定着しているからである。
2021年1~9月の時間帯別利用現況を見ると、午前は8~10時(9.6%)、午後は6~8時(18%)に利用者の割合が相対的に高かった。タルンイが、通勤時間帯に利用する公共交通機関の前後区間である「ファースト・ラスト・マイル(拠点間移動)」での「隙間交通手段」の役割を果たしているということがわかる。
特に、新型コロナウイルスの感染者確認以降、ソウルの他の交通機関は利用が減少した一方、タルンイの利用は急増した。
2021年1~9月のタルンイ貸出し件数は2404万件で、2020年(1763万件)比で36%増えた。ソウル施設公団関係者は「新型コロナの関係で密閉された環境を避ける市民の需要が増えた」とし「大きくみて交通手段であるタルンイが、安全な生活交通手段として認められている」と分析した。
さらに、週末に漢江や公園に行くと、家族連れや友達同士でタルンイを借りて楽しむ姿も見られる。2019年の「タルンイ満足度」アンケート調査によると、36.3%が通勤用、26.8%が余暇や趣味、17%が運動目的でタルンイを利用すると答えた。
◇運動しながらCO2削減まで
「朝、昼、夜の24時間、私が望む時間にいつでも利用でき、環境保護にも一役買ったと満足しています」
ソウル市城北区(ソンブクク)で暮らしながら同区にある会社に勤めているイ・ヒョンジさん(33、女)は「タルンイ」の長所について、このように話した。イさんが言うように「タルンイ」はスマートフォンのアプリを利用して簡単にレンタルでき、ソウル市内にある貸出所に返却できるため、市民に愛されている。
イさんにとって「タルンイ」はもう日常アイテムになった。彼女は特に「タルンイの便利さ」に満足している。イさんは「タルンイは思ったより使い勝手が良い自転車だ。ギアもあって上り坂も平気だ。前カゴがあるので買い物にも便利だ」と説明した。自転車専門企業のアルトンスポーツが、タルンイを事実上、独占供給している。また「自転車盗難、故障修理などの心配がないという点も利用者にはとてもいい」と話した。
利用料金も安い。誰でもタルンイ貸出所の端末で「利用券購入」ボタンを押し、1時間(1000ウォン)、2時間(2000ウォン)の利用券を選択して決済する。会員加入後は、定期券(1時間基準)で7日券は3000ウォン、30日券は5000ウォン、6カ月券は1万5000ウォン、1年券は3万ウォンでタルンイを利用できる。期間が長いほどかなり安くなる。
イさんは「ガソリン代はもちろん交通費も節減できる、最近は(交通系ICカードの)ティーマネーが運営するアプリ『ティーマネーGO』アプリで高速バスからタルンイに乗り換えれば、100ウォンずつ積み立ても可能で、よく利用している」と説明した。
彼女は、最近特に「タルンイ」を利用して満足を感じている。「タルンイ」はログイン後、自分の返却履歴項目をみると、乗車距離、利用時間、CO2削減量、消費カロリーの累積数値が出る。これに対し、イさんは「タルンイアプリでは走行距離の記録もできるし日付別に照会もできる。運動量のチェックも可能である。特に、CO2排出削減量も一目で確認できて喜びも2倍だ」と笑いながら話した。
(つづく)