
韓国政府は、民間の育児サービス提供機関を国家が登録・管理できるようにする「子ども見守り支援法」改正案の成立を進めている。これにより、管理が不十分だった民間ベビーシッター業界の監督が強化され、利用者の不安軽減が期待される。一方で、公的育児支援の拡充が先決との声もある。
改正案では、民間育児サービス提供機関に対し、施設や人員、サービス基準を設け、登録機関を国家が管理する制度を導入する。現在、公的育児支援は1年以上待機することもあり、民間サービスが重要な役割を担っている。登録制により、安全性向上を図る狙いだ。
また、育児従事者の犯罪履歴確認や120時間の義務教育を条件とする国家資格の発行も盛り込まれている。登録機関は女性家族相に犯罪経歴を照会でき、児童虐待や性犯罪の前科がある者の就業を禁止する。大田での小学生死亡事件を受け、制度改善の必要性が高まっており、法案成立の可能性は高い。
ただ、公務員労組などからは「公的支援拡充が先決」との批判がある。民主労総関係者は「民間市場の拡大を促すのではなく、公的サービスの質をまず向上させるべきだ」と主張する。
これに対し、女性家族省は「登録制導入は民営化ではなく、安全確保のための最低限の管理体制」と説明している。公的支援の強化も継続し、地方自治体の公的サービス提供機関の指定義務化や、運営費支援による低価格サービスの提供、経済的に厳しい家庭への優先提供などの施策を進めるとした。
民間業界からは肯定的な評価もある。民間育児サービス業者は「登録制が導入されれば、利用者の安全が確保され、サービスの信頼性向上につながる」と歓迎する声を上げている。
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