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韓国の憲法裁判所(憲裁)が8年ぶりに大統領罷免の是非を判断することとなり、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の命運を決める8人の憲法裁判官に関心が集まっている。
現在、憲法裁判官はムン・ヒョンベ憲裁所長代行を含む8人で構成されている。裁判官の内訳は以下の通り。
【進歩(革新)派(3人)】
▽ムン・ヒョンベ所長代行=2019年、ムン・ジェイン(文在寅)大統領(当時)が指名
▽イ・ミソン裁判官=同
▽チョン・ゲソン裁判官=2024年1月、「共に民主党」推薦で任命
【中道・保守派(5人)】
▽キム・ヒョンドゥ裁判官=2023年3月、キム・ミョンス大法院長が指名
▽チョン・ジョンミ裁判官=2023年4月、キム・ミョンス大法院長が指名
▽チョン・ヒョンシク裁判官=2023年12月、ユン大統領が指名
▽キム・ボクヒョン裁判官=2024年9月、チョ・ヒデ大法院長が指名
▽チョ・ハンチャン裁判官=2024年1月、「国民の力」推薦で任命
チョン・ヒョンシク裁判官は、ユン大統領弾劾審判の主審を務める。
ただ、裁判官の政治的傾向がそのまま判決結果に直結するとは限らない。憲法裁判所は、法的原則を基に議論を重ねたうえで結論を導き出すため、単純な政治的対立として判断されるわけではない。
大統領を罷免するには、8人中6人以上の賛成が必要であり、裁判官の数が9人になった場合でも、同様に3分の2以上の賛成が必要となる。
現在、憲裁裁判官の定員9人のうち1人が空席となっている。憲裁は2月27日、「大統領代行のチェ・サンモク(崔相穆)経済副首相兼企画財政相がマ・ウニョク裁判官候補を任命しないのは国会の権限侵害に当たる」との決定を下した。
マ・ウニョク氏が任命されれば、ユン大統領弾劾審判に関与する可能性が高い。マ・ウニョク氏は「共に民主党」の推薦を受けた進歩(革新)派であり、憲裁の勢力構成が「進歩4 vs 中道・保守5」へと変わることになる。
ユン大統領の弾劾審判は、進歩派3人だけでは罷免に必要な6人の同意を確保できないため、中道派の裁判官がどのような判断を下すかがカギとなる。
また、9人目の裁判官が任命されるかどうかも、今後の審判結果に影響を与える可能性がある。
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