2025 年 12月 8日 (月)
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「私の出資」長女と「父の遺産」次女…韓国・父名義の土地をめぐり姉妹バトル

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韓国のある一族で、父親の死後、遺産分割を巡って姉妹間に深刻な対立が生じている。争点となっているのは、長女が購入して父名義にしていた土地と、その上に建てられた建物が、相続財産に含まれるのかどうかだ。

韓国のYTNラジオ番組「チョ・インソプ弁護士の相談所」でこの一件が取り上げられた。

番組によると、経済的に最も余裕があった長女は、父親名義で土地を購入し、その上に建物を建てた。しかし、父親には収入がなかったため、実際には長女が土地を担保に融資を受け、建築資金を工面したという。ところが、建物が完成する直前に父親が他界し、この遺産を巡って姉妹間で激しい対立が生じた。

長女は「土地と建物は私の財産であり、父名義にしたのは形式的な理由に過ぎない。実質的な所有者は私だ」と主張した。一方、次女は「長女が父に譲った財産なのだから、姉妹で平等に分割すべきだ」と反論している。

特に次女は、建築のために発生した借金は長女個人の負債であり、土地のみを相続対象とするべきだと主張している。

番組に出演したパク・ギョンネ弁護士は、遺産の法的扱いについて詳しく解説した。まず、土地に関しては、父親と長女の間に「名義信託契約」があったかどうかが重要な判断材料となる。この契約がない場合、法律上、土地は父親の所有とみなされ、相続財産として扱われることになる。

次に建物の所有権についてだが、建物が未登記の場合、建築時の「建築主」の名義が誰であったかが重要となる。長女が建築資金を借りていた場合、建築主が長女であれば建物は長女の財産とされ、相続財産には含まれない。しかし、もし建築主が父親だった場合、建物も相続財産として取り扱われることになる。

また、借金の扱いにも注意が必要だ。もし借入の名義が長女であれば、その負債は相続財産に含まれず、長女個人が負担する責任を負う。一方で、仮に建築主が父親だった場合、長女は「寄与分」を主張することができる。これは相続財産の形成に特別な貢献をした相続人が、相続分を増やせる制度である。

パク弁護士は「相続争いを避けるためには、家族間で冷静に話し合うことが重要だ」と強調した。しかし、もし合意が難しい場合は、裁判所に調停を申し立てることも選択肢になるという。

この事例は、名義と実際の所有者が異なる場合に、相続問題がいかに複雑化するかを浮き彫りにした。遺産相続においては、単なる名義だけでなく、資金の出所や実際の所有権が重要な判断基準となる。

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