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韓国最大のヘルス&ビューティーストア「CJオリーブヤング」が、本社確保を目的に大規模な投資を決定した。年間売り上げ4兆ウォン突破という節目を迎え、社員の士気向上と業務効率化を図るため、ソウル市龍山区に位置する「KDB生命タワー」の買収に踏み切る。これにより、同社は今後の事業拡大と成長の加速を狙う。
CJオリーブヤングは、業界関係者によると、KDB生命タワーの買収に向けた優先交渉権を獲得した。このビルは地下9階・地上30階、延床面積8万2000㎡の大規模オフィスビルで、ソウル市龍山区漢江大路372番地に位置している。同社は2021年からこのビルの40%を賃借し、本社として活用してきたが、今回の買収により完全な所有権を確保することになる。買収資金としては6800億ウォン(約750億円)を自社で調達し、正式な買収を進める計画だ。
この本社買収により、業務の効率化と経費削減が見込まれている。現行の賃貸契約は2026年に満了する予定で、これまで賃貸料として支払っていたコストを削減できるだけでなく、今後の急成長に伴う新規採用や業務スペースの拡充にも対応できる。さらに、ソウル駅に隣接する立地は、地下鉄1号線・4号線、空港鉄道に直結し、2028年以降にはGTX-A・B線も開通予定であることから、社員の出張や取引先との連携も大幅に効率化されることが期待されている。
オリーブヤング関係者は「全国展開しているため、社員の出張が多い。本社がソウル駅に近いことで業務効率が格段に向上する」と述べている。
CJオリーブヤングは、1999年に営業を開始して以来、着実に成長を遂げてきた。2014年には5000億ウォンだった売り上げが、2023年には3兆8000億ウォン、2024年にはついに4兆ウォンを突破。わずか10年で売り上げは約8倍に拡大した。店舗数も2014年の417店舗から、2024年には1370店舗以上へと急増しており、国内の市場拡大にとどまらず、海外進出も本格化している。
特に、K-ビューティーブームに乗り、米国と日本市場への進出を積極的に進めている。2019年には海外通販サイト「グローバルモール」を開設し、オンライン事業を強化。2023年には売り上げが前年比80%増加し、会員数も122万人から2024年11月時点で230万人へと倍増した。また、オフライン店舗の拡大にも注力し、2023年5月には日本法人を設立。さらに、2024年にはカリフォルニア州ロサンゼルスに米国法人「CJ Olive Young USA」を設立し、年内には米国1号店のオープンを予定している。
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