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韓国の放送局JTBCの報道番組「事件班長」が18日、入居前に前の住人が自殺していた事実を知らされずに賃貸契約を結んだ新婚夫婦の悩みを取り上げた。
それによると、30代会社員の夫と妻は新居で異様な寒気や匂いを感じ、不眠や悪夢に悩まされていた。近隣住民が夫婦に対しておかしな反応を見せることから調べた結果、前住人が自殺していたことが判明した。
家主である80代男性に夫が事情を尋ねたが、「何の話だ。人が死んでいない家などどこにある」と相手にされなかった。退去するつもりで保証金の返還を求めると、「契約違反だ」と拒否された。
夫婦は恐怖のあまり退去し、現在は狭い部屋を借りて住んでいる。妻は妊娠中で、夫婦は精神的苦痛を訴えている。
韓国では家主に事故物件であることを伝える法的義務がなく、刑事責任の追及は困難との見方が一般的だ。しかし、2006年の最高裁判例では「殺人事件が発生した物件は契約前に告知すべき重要事項」とされ、説明がなければ契約解除が可能と判示されている。
番組に出演した弁護士は「告知義務違反で損害賠償請求は可能だが、契約取り消しは容易ではない」と見解を示した。
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