韓国大統領選に絡み3日開かれた初のテレビ討論で、与党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)氏▽保守系野党「国民の力」のユン・ソンヨル(尹錫悦)氏▽中道野党「国民の党」のアン・チョルス(安哲秀)氏▽革新系野党「正義党」のシム・サンジョン(沈相奵)氏の4人はそれぞれの問題意識を突き合わせた。
◇有力2候補を攻撃
シム候補は、ユン、イ両氏をまとめて攻撃した。
シム候補は「ユン候補は多住宅者投機で住宅価格が上がるのではないと大言壮語した。住宅価格の暴騰が供給不足のためだと言うのは典型的な建設業者の論理だが、事実と違う。文在寅政権時代の供給が過去最高だった。診断を間違えば解決策も間違う」と述べ、若者向けの住宅政策について問い詰めた。
イ候補に対しても「公共住宅に関心があるとは知らなかった。城南市に賃貸住宅を1軒も建てていないのに」と皮肉った。イ候補は「地方自治体で作ることはできず、中央政府でできるから、それは問わないでほしいと」と言葉を切った。
◇THAAD
北朝鮮問題への対応や最新鋭迎撃システム「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」の追加配置など、外交・安全保障をめぐる攻防も続いた。
イ候補はユン候補に向かって「THAADは首都圏に配置すれば高高度ミサイルには該当しない。ブルックス元在韓米軍司令官も追加配置は必要ないと言った」と指摘した。
これに対しユン候補は「ブルックス元司令官の話は、(慶尚北道)星州(ソンジュ)にあるTHAADをパトリオットや低層での防御システムと結びつけた場合、効果的だとしたのであって、追加配置は必要ないとした事実はない」と反論した。
アン候補はイ候補に対し「これまでの発言を見ると反米、親中路線」だとし、過去にイ候補が中国メディアとのインタビューで「THAAD配置撤回」に言及したことを皮肉った。「三不政策」(THAAD追加配備や米国のミサイル防衛網への参加、日米韓の軍事同盟化に対するノー)を取り下げないというイ候補には「屈辱的な対中国事大主義ではないか」と反論した。
シム候補は「ユン候補が核保有に反対したことを、大変、肯定的に評価する」としながらも「どの軍事専門家も軍もTHAAD配置の話をしないのに、政治家が出てきてTHAAD配置を話すのは安全保障ポピュリズムだ」と批判した。これに対し、ユン候補は「格闘技をする時は、側面からわき腹も足も腹部も叩いて、頭を攻撃する時はすべて防御しなければならない。高高度、中高度、低高度、側面攻撃など多様な防御体系を作らなければならない」と述べ、THAAD追加配置の必要性を繰り返し強調した。
◇me too
この日の討論ではセクハラ撲滅運動「#MeToo(私も被害者)」も話題になった。
忠清南道(チュンチョンナムド)元知事、アン・ヒジョン(安熙正)受刑者から性的暴行を受けた女性に対し、ユン候補の妻キム・ゴニ(金建希)氏が中傷するような発言をしたことが取り上げられた。これについてユン候補は、テレビ討論で初めて公開謝罪した。
シム候補は「先日暴露された録音でキム・ゴニ氏が『私と私の旦那はアン・ヒジョンの味方だ』として性的暴力をかばったことがあった。今、この瞬間にも性的暴力で苦しんでいる女性に代わって私が聞く。ユン候補は本当にアン・ヒジョン氏の肩を持つのか、この席で性的暴行を受けた女性に謝罪する用意はあるか」と尋ねた。
ユン候補は「私はアン・ヒジョン氏も、(女性市職員への強制わいせつ罪などに問われた)オ・ゴドン(呉巨敦)前釜山市長も、(セクハラ疑惑がもたれた)パク・ウォンスン(朴元淳)前ソウル市長も、すべて権力を利用した性犯罪だと考えている。私がそんなことを言ったわけではないが、妻も公の立場にいるので、心の傷を受けたというなら、私が謝罪する」と述べた。
(おわり)
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