2025 年 2月 22日 (土)
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クレヨンしんちゃんと韓国ウェブトゥーンの未来 [韓国記者コラム]

ネイバーウェブトゥーンロゴ(c)news1

「1、2、3、しんちゃん遊ぼう」。連載35年(アニメ放送33年)を迎えた「クレヨンしんちゃん」のオープニングテーマを覚えている人は韓国でも多いだろう。

原作者が亡くなった後も、その物語は続いている。思い出に留まることなく、新しいいたずらが次々と生まれる。これは、愛される知的財産(IP)が持つ強さの証だ。

200年の歴史を持つ日本の漫画には、ジャンルごとの面白さと深いメッセージが詰まっている。

「逃げ出した先に楽園なんてありゃしねえのさ」と語る「ベルセルク」は、運命に抗う人生の壮絶さを描く。グロテスクな雰囲気の「HELLSING(ヘルシング)」は、怪物に立ち向かうのは常に人間であり、人間の強さを讃える作品だ。

哲学という言葉を使わずとも、人生の本質を突くメッセージが込められている。だからこそ、日本では漫画家を「先生」と呼び、敬意を払う。著作権意識も高く、作品にロゴを一つ入れるのにも厳格なルールがある。

そんな日本の漫画市場を、ネイバーウェブトゥーン(LINEマンガ)が制覇した。日本のアプリ市場で売り上げ1位を記録するほどの成功を収め、縦読み形式のウェブトゥーンを日本に根付かせた。

韓国ウェブトゥーンの始まりは、パソコン通信「Chollian」が2000年8月に始めたオンLINE漫画サービスとされる。ただ、韓国の漫画文化はそれ以前から積み重ねられてきた。

「龍飛不敗」は傷に囚われた者の苦悩を描き、最近では欲望の儚さを描いた「鸚鵡殺手」、血縁の死に命を燃やす「広場」、復讐の重みを背負う「Castle」など、名作が次々と生まれている。

「ユミの細胞たち」のように、「なるほど」と膝を打つような独創的なアイデアも、韓国ウェブトゥーンの強みだ。

日本の漫画家、江藤俊司さんは、LINEマンガで「俺だけレベルアップな件」を読んだ際、「あまりの面白さに徹夜で一気読みしてしまった」と語った。その後、彼自身もウェブトゥーン制作に転向し、「神血の救世主」や「俺だけ最強超越者」など、日本発のウェブトゥーン成功例を生み出した。

時代の流れが大きく変わっている。だが、その背景には、創作者たちのたゆまぬ努力がある。

LINEマンガは今月、日本でウェブトゥーンIPをもとにした劇場版アニメを公開する。今年だけでウェブトゥーンをもとにしたアニメーション作品を20本制作する計画を進めている。

LINEデジタルフロンティアの最高成長責任者(CGO)、キム・シンベ氏は「LINEマンガに不足しているのは“時間”だけだ」と語る。それはつまり、韓国発のウェブトゥーンIPが世紀を超えて愛される作品になるのは時間の問題だという自信の表れだ。

逃げるのではなく、挑戦し続けた韓国の漫画が辿り着く場所は、まさに「楽園」なのかもしれない。【news1 ソン・オムジ記者】

(c)news1

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