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今年、韓国内の小型電気自動車(EV)市場が本格的に拡大すると予想される。昨年は起亜(KIA)の「EV3」、現代自動車の「キャスパーEV」が登場し、今年はボルボ「EX30」、中国BYD「ATTO 3」など輸入車も加わり、競争が激化している。
自動車業界では、EV市場が一時的な需要低迷を経験する中で、「コスパ」重視の小型EVが市場の突破口になるかどうかに注目が集まっている。
韓国自動車モビリティ産業協会(KAMA)によると、2024年の韓国内新車販売台数は163万5000台で前年より6.5%減少し、2013年以来11年ぶりの最低水準となった。これは消費環境の悪化とEV需要の鈍化が重なった結果とされる。
2024年のEV販売台数は14万6000台で前年より9.7%減少し、市場浸透率も9%にとどまった。これに対し、ハイブリッド車(HEV)は前年より29.2%増加し、初めて市場シェア20%を突破した。
昨年のEVの平均販売価格は5590万ウォン(約610万円)で、前年の6760万ウォン(約740万円)より1000万ウォン以上下落した。これは小型EVの新車投入や中国製EVの人気、メルセデス・ベンツのEV火災による高級EVの販売減少などが影響したとみられる。
特に3000万~4000万ウォンのEV販売比率は、2023年の12.5%から2024年には32.8%に増加し、2.6倍に伸びた。KAMAは「EV購入者の価格重視傾向が強まっている」と分析している。
業界では、2025年は「コスパ重視」の小型EV競争が本格化するとみている。昨年、すでに小型EVの販売実績は堅調だった。代表モデルは「EV3」と「キャスパーEV」だ。
昨年7月に発売されたEV3は、補助金適用後3000万ウォン台で購入可能な点が評価され、事前予約だけで1万台以上を記録した。EV3は1回の充電で510km走行可能という高性能を誇り、発売から半年で1万2851台を販売し、起亜の主力EV「EV6」(9054台)を上回った。
また、昨年第4四半期から販売開始されたキャスパーEVも約3カ月で8657台を販売し、小型EV市場の成長可能性を示した。
今年は、輸入車の参入で競争がさらに激化するとみられる。
中国最大のEVメーカーBYDは、1月に「ATTO 3」の韓国市場投入を発表した。基本モデルの価格は3150万ウォン(約340万円)からで、補助金適用後は2000万ウォン台(約220万円)で購入できる見込みだ。圧倒的な低価格を武器に、韓国市場を急速に攻略する可能性がある。
また、4000万ウォン台のプレミアム小型EVとして、ボルボの「EX30」も登場した。EX30は、最先端の安全技術を搭載し、最大272馬力を発揮する高性能モデルである。ボルボによると、「EX30の販売価格は韓国が世界で最も安い」という。
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