![](https://koreawave.jp/wp-content/uploads/2025/02/北朝鮮、ロシアに違法労働者数千人を派遣…韓国政府見解、ウクライナ侵攻の「人手不足」補う-1024x576.jpg)
韓国国家情報院は9日、北朝鮮が昨年、ロシアの建設産業現場に数千人の労働者を派遣したと明らかにした。ウクライナ戦争の長期化に伴い、ロシアの建設業や産業分野での人手不足が深刻化しており、北朝鮮が労働力を提供することでロシアの需要を補った可能性が高い。
北朝鮮がロシアに労働者を派遣した背景には、経済的な見返りを得る狙いがあるとみられる。北朝鮮は長年、外貨獲得のために海外へ労働者を派遣してきたが、2017年に国連安全保障理事会が採択した「制裁決議2375号」により、国際社会での北朝鮮労働者の雇用が禁止されている。しかし、ロシアがこの制裁を事実上無視し、北朝鮮の労働力を受け入れていると指摘されている。
また、北朝鮮とロシアが制裁を回避するために、労働者に「学生ビザ」を発給している可能性も浮上している。これにより、表向きは学生として渡航しながら、実際には建設現場などで労働に従事しているとみられる。
米政府系のラジオ自由アジア(RFA)によると、ロシアに昨年入国した北朝鮮人は1万3000人に達し、2023年と比較して約12倍に急増した。この背景には、ウクライナ戦争の影響でロシアが建設労働力を確保する必要に迫られたことがあるとみられる。
また、ロシアは北朝鮮に対し、砲弾や弾薬などの軍事支援を受ける代わりに、労働者の受け入れという形で経済的支援を提供している可能性が高い。
ロシアは国連安保理の常任理事国でありながら、北朝鮮との密接な関係を維持し、対北制裁の履行を形骸化させている。ウクライナ戦争の影響で西側諸国との対立が深まる中、ロシアは北朝鮮との経済・軍事協力を強化することで、対米・対西側圧力を強めようとしているとみられる。
韓国政府関係者は「ロシアと北朝鮮の経済協力が拡大すれば、国際社会の制裁の効果はいっそう低下する恐れがある」と懸念を示している。
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