2025 年 2月 22日 (土)
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骨を削らず「腰の曲がり」改善…韓国の医師、新手術法を開発

脊柱管狭窄症の患者への内視鏡手術(c)news1

韓国で骨を削らずに腰の曲がりを改善できる新たな手術法を開発した医師がいる。新技術「骨切除なし減圧術(NLBD)」は、脊椎にある自然な穴を利用して神経の圧迫を解消する手法で、昨年、SCI級学術誌に論文が掲載された。この手術法を開発したセギル病院のイ・デヨン院長は、2024年だけで1590件の手術を執刀した。

韓国では、毎年約180万人が脊柱管狭窄症と診断され、その80%以上が60歳以上の高齢者だ。加齢とともに脊柱の変性が進行し、神経が圧迫されるこの病気は、放置すると腰が曲がり、最終的には歩行が困難になる。

イ・デヨン院長は「特に歩幅が狭くなり、地面を強く踏みつけるように歩く人は、狭窄が進行している可能性が高い。歩行距離が短くなり、猫背のような姿勢が続く場合は、手術を検討すべきだ」と促す。

従来の脊椎手術では、視野を確保するために骨や筋肉を切開する必要があり、出血も多かった。これを改善するために登場したのが、両方向の脊椎内視鏡手術だ。背中に5mm程度の小さな穴を2カ所開け、内視鏡を挿入して神経の圧迫を取り除く技術だ。

しかし、この手術でも神経の状態を確認するために一部の骨を削る必要があった。これに対し、「骨切除なし減圧術」は骨を一切削らないのが最大の特徴だ。

骨を削らないことのメリットとして▽周囲の組織の損傷が少ない▽出血がほとんどない▽手術後の痛みが軽減される▽回復が早く、術後すぐに歩行可能――などが挙げられる。

さらに、従来の減圧術では手術後に脊椎の不安定性が増し、追加で固定術が必要になるケースもあった。しかし、骨を削らない手術では、こうしたリスクを大幅に軽減できるという。

(c)news1

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