2025 年 2月 5日 (水)
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韓国カカオ&米国オープンAIがタッグ…AI「カナナ」に新技術で「相乗効果」

カカオのチョン・シンア代表(左)とオープンAIのサム・アルトマンCEO(c)KOREA WAVE

韓国ネット大手カカオが今年公開予定のAIサービス「カナナ」に米オープンAIが開発したAI技術が組み込まれる。

カカオは4日、ソウルでオープンAIとの戦略的提携に関する共同記者会見を開いた。この会見には、カカオのチョン・シンア代表と、オープンAIのサム・アルトマンCEOが出席し、両社の協力方針を発表した。

オープンAIが韓国の企業と戦略的提携を結ぶのは今回が初めて。両社はより多くのユーザーがAIサービスを手軽に活用できるようにすることを目的に▽AIサービスの高度化に向けた技術協力▽共同商品の開発――の2点に重点を置く方針を明らかにした。

チョン・シンア代表は基調講演で「長年、多くの韓国国民の日常と共にしながら蓄積したノウハウを生かし『ユーザーを最もよく理解するパーソナライズAI』を提供することが今の時代におけるカカオの役割だと考える」と述べた。その上で「グローバルな技術競争力を持つオープンAIと協力し、革新的な顧客体験を提供することで、AIサービスの普及を牽引したい」と提携の背景を説明した。

カカオとオープンAIは昨年9月から「AIサービスの普及」という共通の目標を掲げ、技術、サービス、ビジネスなど幅広い分野で協力の可能性を模索してきた。

その結果、まずカカオの主要サービスである「カカオトーク」や「カナナ」に、オープンAIの最新AI技術のAPIを活用することを決定。また「AIネイティブ企業」への転換を加速するため、ChatGPTエンタープライズも導入することにした。

今回の協力により、カカオはAIモデルのオーケストレーション戦略をさらに強化することになる。この戦略は、昨年10月の開発者カンファレンス「if(kakaoAI)」で初めて明らかにしたもので、カカオが独自に開発したAIモデルだけでなく、外部の優れたAPIも活用し、ユーザーに最適なサービスを提供することを目指している。

この方針のもと、カカオは現在開発中の「カナナ」サービスに、独自の言語モデルとオープンAIのモデルを併用することを決めた。カナナは、1対1の会話だけでなく、グループチャットにおいても会話の文脈を理解し、適切な回答を提供することで、ユーザー同士の関係構築や強化を支援するAIエージェントサービスだ。オープンAIの技術を活用することで、より高度なサービスを提供し、最高水準のAI体験をユーザーに届けることを目指す。

また、両社は技術協力を超え、共同商品の開発にも取り組む。韓国のユーザー理解に強みを持つカカオと、グローバルなAI技術競争力を持つオープンAIの協力は、韓国内の市場に新たなシナジーを生み出し、AIサービスの普及を加速させるきっかけになると期待されている。

この日の記者会見では、戦略的提携の発表に加え、両代表による対談(Fireside chat)もあり、二人は協力のビジョンや今後の方向性について議論した。

アルトマン氏は「カカオはテクノロジーが日常生活を豊かにする方法について深い理解を持ち、ユーザーに革新的な体験を提供し続けてきた」と評価し「カカオの多くのユーザーに最先端のAIを提供し、この技術をカカオのサービスに統合することで、カカオユーザーのコミュニケーションやつながり方の革新に協力できるのを非常にうれしく思う」と語った。

チョン氏も「グローバルAI技術をリードするオープンAIとの戦略的協力に大きな期待を寄せている」と述べたうえ「今回の提携は、オーケストレーション戦略の高度化だけでなく、カカオが目指す未来をより早く実現するための転換点になるだろう」と自信を示した。

(c)KOREA WAVE

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