◇戒厳直前に「封鎖対象」文書
ユン大統領は戒厳令を宣言する4時間前、警察首脳部に対し、非常戒厳に積極的に協力するよう指示した。
昨年12月3日午後6時18分ごろ、ユン大統領はパク・ジョンジュン大統領警護処長を通じて、警察庁のチョ・ジホ庁長とソウル警察庁のキム・ボンシク庁長を安家に呼び、キム・ヨンヒョン国防相に引き合わせた。
この場でユン大統領は次のように述べた。
「親北左派勢力、反国家勢力が国を混乱させている」
そして、午後10時に非常戒厳を宣言すると通告した。
するとキム・ヨンヒョン国防相は、国会、共に民主党本部、世論調査機関など、戒厳軍が出動すべき場所を記載した文書を2人に1枚ずつ渡し、警察の協力を要請した。
ユン大統領の指示を受けたチョ・ジホ庁長とキム・ボンシク庁長は、国会への出入りを統制し、戒厳軍に協力できるよう警察機動隊の状況を点検し、封鎖対象区域を報告しながら出動準備を進めた。
◇「もはや後戻りはできない」
戒厳令の宣言を控え、ユン大統領は、直接またはキム・ヨンヒョン国防相、大統領室秘書室を通じて、ハン・ドクス(韓悳洙)首相をはじめとする国務委員(閣僚)、国務会議(閣議)に同席するチョ・テヨン国家情報院長に対し、大統領室への出頭を指示し、戒厳時の措置事項を文書で伝達する準備を進めた。
ハン・ドクス首相、チョ・テヨル(趙兌烈)外相、チェ・サンモク(崔相穆)経済副首相兼企画財政相は、いずれも戒厳令の宣言をやめるよう進言したという。
しかしユン大統領は次のように強調した。
「親北左派をこのまま放置すれば国が破綻する。もはや後戻りはできない」
さらに、イ・サンミン(李祥敏)行政安全相に対し、次の文言の書かれた文書を見せながら、非常戒厳宣言後の措置を指示した。
「24時ごろ、京郷新聞、ハンギョレ新聞、MBC、JTBC、世論調査機関を封鎖し、消防庁を通じて電力・水道を遮断せよ」
午後10時17分ごろ、国務会議の定足数が満たされると、ユン大統領は大接見室で開かれた「5分国務会議」の場で次のように発言した。
「これは大統領である私が決断したことであり、私が責任を持って進めることだ」
こう語った後、戒厳令を宣言した。
その後、ユン大統領は国務委員らに対し、戒厳状況への対応方針を指示した。特にチェ・サンモク副首相には次の指示を書いた文書を手渡した。
▽国会関連の各種資金を完全に遮断すること
▽国家非常立法機関の関連予算を編成すること
イ・サンミン行政安全相は午後11時34分ごろ、チョ・ジホ警察庁長に警察の対応状況を確認した後、ホ・ソクゴン消防庁長に電話して次のように指示した。
「警察庁からメディア・世論調査機関の電力・水道遮断の協力要請が来たら、すぐに対応せよ」
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