韓国・蔚山(ウルサン)で、家族の迅速な通報と警察の適切な対応によってボイスフィッシング詐欺の被害を未然に防いだ事例が報告された。
蔚山の蔚州(ウルジュ)警察署にある日、「父親が電話を受けた後、携帯電話を家に残して外出した」という通報が寄せられた。
警察が駆けつけ、父親の手帳に「名義盗用申告受付」「検察庁」「金融監督院」などと記入されているのを見つけた。警察は、公的機関を装ったボイスフィッシングと見て、すぐに父親名義の口座を凍結し、周辺の金融機関を探した。
父親は当時、「新たに携帯電話を買うよう指示された」として代理店を訪れていた。だが、カードの利用が止められていたため購入できず、ATMで現金を引き出そうとしたが、こちらも取引停止になっていた。
仕方なく帰宅したところで、警察からそうした指示が詐欺の手口であることを知らされた。
ボイスフィッシングの手口は近年、巧妙化している。実在するカード会社の顧客センターに似た番号を使い、URLへのアクセスを誘導する手法などが確認されている。韓国警察庁によると、2024年1~11月の発生件数は1万8676件、被害額は前年比62.2%増加して7257億ウォン(約798億円)に達している。
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