北朝鮮外務省は26日、報道局対外報道室長名義の談話を発表し、最近の米韓合同演習に言及したうえで、米国に対して「超強硬」に対応すると明らかにした。トランプ米大統領による対話提案に、ひとまず応じない姿勢を示した形だ。
談話では「最近、米国と韓国が共和国(北朝鮮)を標的にした憂慮すべき軍事的挑発行為を繰り返し、朝鮮半島および地域の不安定な安全環境に危険要素を追加している」と主張した。
外務省は特に▽米韓空軍が21~24日に原州空軍基地で実施した大隊級合同航空訓練「バディー・ウィング」▽米韓両軍が14~16日に実施した「北朝鮮の長距離砲などに対応するための対火力戦の模擬演習」▽今年初めに米国の戦略爆撃機を動員した日米韓3カ国の合同航空訓練――を挙げた。
これらについて「我が国家を狙い撃ちにする各種戦争演習を展開することは、朝鮮半島と地域の平和と安定の保障に対する重大な挑戦行為だ」と批判したうえ、「外務省は朝鮮半島地域の緊張をさらに激化させる米韓の軍事的挑発行動を厳重に注視しており、このような行為には相応の対応が伴うことを厳重に警告する」と明言した。
さらに「米国が共和国の主権と安全利益を拒否する以上、米国に対して徹底して超強硬に対応しなければならず、これが米国を相手にするうえで最善の選択であることを強調している」と指摘した。そのうえで「共和国は、米韓の軍事的結託による力の不均衡を許さず、超強力な対応を通じて国家の主権的権利と安全利益を守り、地域の平和と安定を徹底的に保障していく」と強調した。
北朝鮮はこれまでにも米韓合同演習に敏感な反応を示してきた。ただ、今回は、トランプ米大統領がキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記に対して好意的な発言を繰り返した後、初めての「対米言及」として注目される。トランプ大統領は20日(現地時間)の就任後、北朝鮮を「核保有国」と呼び、キム総書記との対話意向を示した。
北朝鮮は今回の談話でトランプ大統領に直接言及しなかったが、ひとまず米国の対話提案には大きな関心がないことを示唆している。同時に、米韓合同演習などの軍事訓練の中断を、米国の真意や誠意を確認する条件として提示する意図があるとの見方も出ている。
(c)news1