ソウル西部地裁で18~19日に発生した襲撃事件を巡り、一部の保守系YouTuberが撮影した映像が証拠として利用される可能性を懸念し、動画削除を呼びかける動きが見られている。しかし、既に多くの犯罪場面が警察の映像記録や報道を通じて確保されており、削除が法的責任回避につながる可能性は低い。
韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の拘束令状発付が決定された後、支持者らが裁判所敷地内に侵入し、物品破損や暴力行為をした様子がライブ配信や動画で記録されている。
これに対し、あるYouTuberは「市民や犯罪場面が映った動画は削除すべきだ」と視聴者に呼びかけた。
動画を削除しても、法的責任を回避するのは難しい。既に多くの証拠が報道や警察の映像記録により確保されているほか、撮影者が動画を削除することで「証拠隠滅罪」に問われる可能性がある。
韓国の刑法第155条では、証拠隠滅罪は「他人の刑事事件や懲戒に関する証拠を隠滅する行為」を処罰対象としており、自分自身の証拠削除のみでは罪に問われない。しかし、自らの削除が共犯者の証拠隠滅につながった場合には処罰対象となる可能性がある。
ソウル警察庁は報道映像やYouTubeにアップロードされた動画をもとに、事件の詳細を分析し、参加者らの罪状を立証する準備を進めている。現場で収集された動画や写真は、証拠能力が認められる可能性が高いとされている。
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