韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の拘束令状発付に反発した支持者らによるソウル西部地裁襲撃事件で、逮捕された90人のうち約51%が20~30代だったことが判明した。この「2030世代」の若者たちは、保守的な価値観を掲げながらオンライン活動を超え、物理的な暴力を伴う抗議活動の中心として浮上している。背景には、保守YouTuberの影響や社会的な緊張があると指摘されている。
事件が発生したのは1月18日深夜。ユン大統領の拘束令状発付決定を受け、支持者らが裁判所敷地内に侵入し建物を破壊、内部では血痕も確認された。警察によると、逮捕された90人のうち20~30代が46人を占め、その大半が男性だったと推測される。この層の若者らは「不正選挙」や「反中」を掲げ、保守的な集会に積極的に参加している。
かつて中高年層が主導してきた保守集会において、今では「2030世代」が「太極旗」や「星条旗」を手に抗議活動を展開する姿が見られる。反中感情を煽るスローガンやステッカーが目立ち、「中国人排除」を呼びかける声も聞かれた。
2030世代の極端な保守化には、保守系YouTuberの影響が大きいと分析されている。特に「GroundC」や「新男性連帯」などのチャンネルが、若者らを抗議活動に引き込む役割を果たした。これらのチャンネルは「平和的な抗議」を表向きには呼びかけているが、暴力的な映像が視聴者数や収益を増やす構造を持つため、事件を煽る結果を招いたとの批判がある。
国民大学のチェ・ハンソプ教授は「彼らは暴力的なシーンを映画のように演出し、それをライブ配信することで視聴者の関心を集め、収益を増やしている」と指摘している。
(c)news1