韓国の顧客関係管理(CRM)企業「セールスフォース」はこのほど、「AI時代の顧客体験現況報告書」を発表し、企業のAI活用における透明性と信頼性が顧客の信頼確保に不可欠であるとの調査結果を示した。
この報告書は、世界18カ国の1万6500人以上の消費者とビジネスバイヤーを対象に、AI技術に対する信頼度などを調査したもの。調査結果によれば、回答者の61%が「AI技術の発展に伴い企業への信頼がより重要になった」と回答。しかし、企業の倫理的なAI活用に対する信頼度は2023年の58%から2024年には42%に16ポイント低下した。
一方で、企業が顧客の個別の特性を理解していると感じる消費者の割合は、2023年の39%から2024年には73%へと大幅に増加。だが、企業のデータ活用が自身の利益に繋がると考える人の割合は2022年の60%から2024年には49%に減少した。
消費者が企業に求める改善策としては、AI活用の透明性(42%)、AIの結果に対する人間の検証(35%)、AI利用量のユーザー制御強化(32%)、結果の説明可能性(31%)などが挙げられた。
また、回答者の49%は「今後10年以内にAIは人間の能力と同等のレベルに到達する」と予測し、MZ世代の43%はAIエージェントが顧客体験を向上させると期待している。
セールスフォースコリアのソン・ブハン代表は「企業がAI競争力を向上させるには、AIを倫理的かつ透明に活用することが重要だ。信頼を基盤に顧客体験を革新するための努力を続ける」と述べた。
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