内乱首謀容疑で拘束されている韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が、21日に開催の憲法裁判所での弾劾事件の弁論期日に初めて出席することが明らかになった。現職大統領が自らの弾劾審判に出席するのは韓国の憲政史上初めてとなる。ユン大統領の代理人団が20日明らかにした。尹大統領は「非常戒厳」の正当性を訴えるとみられる。
大統領が弾劾審判に出席する決定には、公捜処による強制出頭が実現しなかったことも影響しているとみられる。公捜処は20日午後にユン大統領への強制出頭を試みたが、本人の拒否により実現しなかった。ユン大統領側は一貫して、公捜処がこの事件に関する捜査権を持たないと主張している。
ユン大統領はこれまで、18日の拘束前被疑者審問(令状実質審査)や公捜処の調査を拒否してきたが、憲法裁判所の弁論には積極的に参加する意向を示している。弁護団の一人であるソク・ドンヒョン弁護士は20日、「弁論準備が妨害される中、大統領の防御権と自己弁護権が侵害されている」と主張した。
憲法裁判所は21日午後2時からソウル市鍾路区にある大審判廷でユン大統領の弾劾事件に関する第3回弁論期日を開催する。この日の審理では、国会側が提出した監視カメラ映像や、ユン大統領側が提出した「不正選挙陰謀論」に関する証拠が取り上げられる見込みだ。さらにユン大統領の出席により、本人の証言に注目が集まる。
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