韓国与党「国民の力」の政党支持率が約4カ月ぶりに、最大野党「共に民主党」を誤差範囲内で上回った。「非常戒厳」以降、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領に対する弾劾訴追と逮捕の局面で支持率が逆に上昇したのだ。政界では、民主党の「強硬路線」に対する逆風により、保守支持層が結集したとの分析が出ている。
エムブレインパブリック・ケイスタットリサーチ・コリアリサーチ・韓国リサーチが13~15日、全国の満18歳以上の男女1005人を対象に実施した全国指標調査(NBS)で、政党支持率は国民の力が35%、共に民主党が33%となった。
同じ調査機関で国民の力が共に民主党より高い支持率を記録したのは、昨年9月第4週の調査が最後だった。当時、国民の力は28%、民主党は26%だった。両党の支持率の差が最も大きく開いたのは12月第3週の調査で、この時、国民の力は26%、民主党は39%を記録し、13ポイントの差を見せた。その後、約1カ月間で国民の力の支持率は上昇し、民主党は下落した。
他の世論調査でも与野党の支持率の差が縮まった。韓国ギャラップが7~9日、満18歳以上の男女1004人を対象に実施した政党支持率調査では、国民の力が34%、民主党が36%だった。同じ機関による直前の調査(3週間前)と比較すると、国民の力の支持率は10ポイント上昇し、民主党は12ポイント下落した。
専門家は、「汎保守圏」が危機意識を共有し結集したと解釈した。16日発表されたNBS調査に応じた有権者のうち、自身を保守的だと答えた人が344人で、進歩的だと答えた人(257人)より多かった。中立的だと答えた人は327人で、残りは「わからない・無回答」だった。時代精神研究所のオム・ギョンヨン所長は「保守層が熱心に調査に応じた側面が反映された」と指摘した。
ユン大統領の声明が保守層の結集効果をもたらしたとの分析もある。ユン大統領は先月14日、自身への弾劾訴追案が国会を通過した直後に「私たち皆が大韓民国の自由民主主義と繁栄のために力を合わせよう」という内容の談話を発表した。逮捕直前に録画した談話では、自身に対する捜査の不当性を強調した。国民の力でも中堅議員を中心に「弾劾反対」集会に参加し、保守結集に拍車をかけた。与党関係者は「核心保守層にはユン大統領への同情論がある」と語った。
一方、民主党の強硬路線が与党の危機感を刺激し、中道層の反感を買ったとの分析もある。
民主党は最近、カカオトークなどで内乱扇動関連のフェイクニュースを拡散する者を告発すると発表したが、これに対し「一般人を対象にメッセンジャーを検閲するのか」との批判が噴出した。また、ハン・ドクス(韓徳洙)首相を含む閣僚らを対象に民主党が29回強行した弾劾訴追も「弾劾の濫用」と批判された。ユン大統領の逮捕や「内乱特別検査法」施行が迅速でなく、中道層が民主党に失望したとの見方もある。
与党の新人議員は「民主党がやり過ぎたことが少しずつ明らかになっている。大統領の力強いメッセージも効果的だった」としつつも、「与党内では民主党の誤りを体系的に知らせるべきだという声が出ている。我々が上手くやったから支持が上がったわけではないという認識があり、悩みは深い」と述べた。国民の力の核心関係者は「このような流れが続くことはないだろう。国民がいずれ政治状況を冷静に見るときに備え、民生政策に力を注ぐべきだ」と語った。
民主党の新人議員は「世論調査を無視してはいけない。非常戒厳以降、内乱が早く整理されず、長引く状況が続いた結果だ。ハン首相の弾劾は我々が強力にやりすぎた」と述べた。民主党関係者は「イ・ジェミョン(李在明)民主党代表が非常に有力な大統領候補であるがゆえに、安易に考えている雰囲気があるが、これを警戒すべきだ」と語った。
政治評論家のパク・サンビョン氏は「国民の力が党内の主導権問題を整理した後、国民全体に向けた謝罪などに乗り出すことができる。民心より党心を重視しているが、逆風の可能性を無視できない。一方、民主党は中道層から警告を受けている」と分析した。
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