韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の弾劾に対する反対世論が拡大し、与党支持率が回復するなど、保守層の結集が鮮明になっている。弾劾をめぐる混乱や対立が深刻化する中、進歩層と中道層の間には失望感が広がっている。
韓国ギャラップが1月7~9日に全国の有権者1004人を対象に実施し、10日に発表した調査結果によると、ユン大統領の弾劾に賛成するという回答は64%で、反対は32%、4%は意見を保留した。先月13日の弾劾訴追案可決直前と比べると、賛成は11ポイント減少し、反対は同じ割合だけ増加した。
地域別では、ソウルと大邱・慶尚北道(TK)地域で顕著な変化が見られた。先月の調査ではすべての地域で弾劾賛成が60%を超えていたが、今回はソウルが81%から59%に、TK地域では62%から47%に減少し、賛否が拮抗した。
世代別では、20~50代の弾劾賛成率が80%台から70%台に低下し、60代は賛成優勢から賛否均衡、70代以上では反対が優勢となった。
保守層の結集と進歩層の失望感は、2016年のパク・クネ(朴槿恵)大統領(当時)の弾劾時の状況と比較すると対照的だ。当時は弾劾賛成が80%を超え、支持率に大きな変化はなかった。一方、今回の弾劾議論では世論が短期間で大きく揺れ動いている。
政治学者の分析によると、野党主導の弾劾推進に対する中道層や一部保守層の反発が強まり、与党支持率が回復したとされる。また、野党指導者に対する不安感や、ユン大統領を取り巻く司法問題が保守層を刺激し、弾劾の本質的な違憲性よりも周辺的な問題が目立つ結果となった。
調査では、与党「国民の力」の支持率が34%に上昇し、昨年7月以来の高水準に達した。一方、野党「共に民主党」の支持率は36%で、前回調査より12ポイント下落した。両党の支持率差は誤差範囲内に縮まった。
特に国民の力は、保守的支持基盤である70代以上で51%から56%に上昇し、TK地域では33%から52%へと急増した。これに対して共に民主党は、中道・進歩層の期待が低下している様子がうかがえる。
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