2025 年 1月 12日 (日)
ホーム特集KW レポート 済州航空機事故でわかった「危うい」韓国の地方空港 (上)

[KWレポート] 済州航空機事故でわかった「危うい」韓国の地方空港 (上)

麗水空港の滑走路の端に設置されたローカライザー(c)NEWSIS

◇麗水空港、短い滑走路とコンクリート製ローカライザー「危険千万」

韓国・済州航空機が着陸の際、大規模な事故を起こし、務安国際空港のコンクリート製ローカライザー(着陸誘導装置)が事故被害を拡大させた原因として伝えられている。これを受け、地方空港のうち麗水空港、蔚山空港、金海空港、清州空港の安全性について順次検討されている。

タイ発務安行き済州航空旅客機が昨年12月29日午前、務安国際空港に着陸中、火災が発生し、搭乗者181人のうち179人が死亡する事故が発生した。旅客機が胴体着陸を試みる中、衝突したローカライザーがコンクリート製であったことが被害を拡大させたという指摘が出ている。

全羅南道東部に位置する麗水空港も、務安空港と似た「コンクリートローカライザー」が設置されていることが確認された。

麗水空港南側のローカライザーを支える高さ4mの土の盛り土には、コンクリート構造物が埋め込まれている。盛り土の上には高さ2mの着陸誘導装置がアンテナのように設置されている。

韓国空港公社の関係者は、麗水空港の盛り土について「地盤が不安定でローカライザーの位置が揺れることを懸念し、コンクリート構造物で作った」と説明している。

コンクリート構造物は務安国際空港や麗水空港、光州空港など、同じような状況だ。

滑走路の端からローカライザーまでの距離は国内外の推奨基準で300mだが、麗水空港を含む一部の空港では300m以内に設置されていることが知られている。地形的条件で位置調整が可能なうえ、推奨基準であるため、より明確な規定の整備が切実に求められる。

一部では、務安国際空港のローカライザーのコンクリート構造物の事例を鑑みると、頑丈なコンクリート構造物よりも壊れやすい素材で設置し、航空機衝突への対策が必要だと主張している。

ある空港専門家は「麗水空港のローカライザー構造物などの航空航行安全施設が規定に適合して設置されているか確認し、問題が明らかになった場合、速やかに安全性を向上させた国際規格に転換すべきだ」と述べた。

麗水空港はコンクリートローカライザーのほかにも、短い滑走路やバードストライク(鳥との衝突)などが懸念されている。

麗水空港(c)NEWSIS

国内線旅客機が離着陸する麗水空港の滑走路は2100mで、群山空港2700m、浦項空港2500mに比べて短い。

仁川国際空港など、ほとんどの国際空港の滑走路は3000~3750mと3000m以上の長さである。務安国際空港も2800mだが、今年中に3200mへ拡張される予定だ。

麗水空港の滑走路は当初、長さ1550m、幅30mに過ぎなかったが、2005年に11年にわたる第1段階の拡張工事が完了し、長さ2100m、幅45mで竣工した。

国際空港への昇格を目指し、滑走路を2800mに延長する必要性が継続的に提起されてきたが、現在まで工事は進んでおらず、金浦や済州など国内線中心の旅客輸送になっている。

麗水商工会議所などは、大規模な石油化学工場が密集する国家産業団地地域の空港活性化と利用率向上のため、滑走路の拡張が必要不可欠であるとの建議書を毎年、政府に送っている。

麗水空港では過去5年間で12件のバードストライクが発生しており、鳥の群れによる危険性も存在している。

麗水商工会議所の関係者は「済州航空の事故を契機に、麗水空港でも滑走路やローカライザーなど全般的な点検が急務であり、航空機の胴体着陸や逸脱などを考慮し、国際規格に合った安全施設が設置されることを望む」と述べている。

(c)NEWSIS

RELATED ARTICLES

Most Popular