韓国の工事現場で信号員をロボットに置き換える試みが進んでいる。ロボットアームを搭載した上半身型ヒューマノイドが現場に投入されたほか、自律走行ロボットに電光掲示板を装着したシステムも試験的な導入を控えている。
信号員は、工事現場で車両や建設機械の移動を誘導し、交通を円滑にする作業員だ。その特性上、交通事故などの危険にさらされることが多い。
韓国道路公社がこうした信号員の事故を防ぐために先端技術ロボットの導入を進めているという。同公社はロボット業界と密接に協力し、技術的な解決策を模索している。
ロボット義手専門企業「マンドゥロ」は韓国道路公社からの依頼を受け、遠隔操作が可能なロボットを開発した。このロボットは工事車両の周辺で人間のように警棒を振る動作をする仕様となっている。車輪付きの台座に上半身型マネキンロボットを搭載しており、作業員が5~7メートル離れた場所から遠隔操作できる。作業員が実際に必要だが、事故のリスクを軽減することが期待されている。
韓国道路公社のキム・ソンギョン課長は「通常、工事現場では作業員が手で合図を出すが、車両が作業員を見落として事故が発生することがよくある。人間の動作を正確に模倣できる信号ロボットが現場に普及すれば、事故を減少させる効果があるだろう」と述べた。
また、マンドゥロのイ・サンホ代表は「1月に家電見本市でロボットアームによるデモンストレーションをした際、道路公社から信号ロボットの開発依頼を受けた。現場の要求を受け入れ、遠隔操作できるマネキン型ロボットを制作した」と語った。
このロボットは12月から現場での実証が始まり、性能検証が実施される。現場作業員のフィードバックを基に装備を改良し、必要に応じてさらなる導入を検討している。
一方、自律走行ロボットを使用した信号システムの開発も進んでいる。事故が発生した際に自動で現場に移動し、信号を出すものである。
スタートアップ企業「モビン」も韓国道路公社から開発の問い合わせを受けた。同社のロボットは独自開発の特殊ゴムタイヤを採用し、階段などの障害物を乗り越える能力を有する。遠隔操作のみで現場に移動し、2次事故を防ぐソリューションとして注目されている。
モビンのチェ・ジン代表は「信号ロボットや配達ロボットなど多様な形態での実証実験を本格的に開始する。事業展開だけでなく、技術の向上を図り、現場で実際に効果を示していきたい」と述べた。
(c)KOREA WAVE