日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)各国など15カ国が参加する地域的な包括的経済連携(RCEP)協定について、韓国では企業の海外進出への道を大きく切り開くと期待が寄せられている。
韓国貿易協会の国際貿易通商研究院が28日発刊した「RCEPにおける主要期待効果」によると、発効によって新たな原産地証明の基準が適用される。
累積原産地条項に規定された原産地基準が緩和され、関税特恵範囲が広まる見通しだ。今回の協定によって、加盟国の原産地材料を使用して生産された商品が域内商品と認定されることが従来よりも容易になる。
原産地証明の発給でも、従来の自由貿易協定(FTA)では中国やASEANに輸出する場合、協定で定められた機関で発給されたものだけが認められていたが、RCEPでは一定の条件を満たしていれば、企業が直接発給できるため、時間的・経済的負担を大きく軽減できると期待されている。
またRCEPは日本と韓国が締結する初の自由貿易協定という点で、重大な意味を持つ。日本は品目数基準41.7%、輸入額基準14%に当たる韓国産の輸入品に対して、20年以内に関税の撤廃あるいは引き下げる予定だ。主な特恵品目はプラスティック、合成樹脂などがある。
すでに韓国とFTAを締結している中国の場合、医療機器、映像機器部品、半導体製造用部品などの品目が特恵の受益対象となる見通しだ。
ベトナムは自動車部品、機械類、一部の鉄鋼品目に対して、関税を撤廃することが明らかになった。
RCEPを通じたサービス貿易分野の市場開放も、韓国にとって好機になると期待されている。
インドネシア、タイ、フィリピンなどの国々は、文化コンテンツや流通分野で共同企業体の設立を認めるなど、従来の韓国・ASEAN間のFTAよりも海外進出に向けた敷居が低くなった。
同協会のイ・ユジン首席研究員は「RCEPの市場開放基準は高くはないが、15カ国を合わせれば、世界の経済・貿易・人口の30%を占める超巨大市場になるという点でかなり重要だ」とみる。「これまでFTAで特恵を受けてきたなかで、障壁となっていた原産地基準が改善されただけに、企業がこの変化を積極的に活用できれば、輸出拡大に役立つだろう」との見解を示した。
©NEWSIS