ソウル城東区聖水洞にある「水槽無人写真館」は、水槽を背景にした独特な写真を撮影できるコンセプトで人気を集めている。この施設はSNSで注目され、週末には1~2時間待つのが普通となっている。今月5日午後も多くの若者が訪れたが、機械点検のため撮影できなかった。それでも遠方から訪れる人もおり、ある20代の女性は「わざわざ全州から来たのに休業日だ」と残念がった。
写真館内部には熱帯魚水槽があり、その前に設置されたカメラで写真を撮影する仕組みだ。特にインスタグラムのリール(短編動画)で人気となり、平日でも賑わいを見せている。ある女性利用者は「特別な写真が撮れると聞いて来た」と話し、男性と訪れた別の女性も「魚がかわいそうだが、写真が美しいので利用した」と語った。
一方で、動物権利擁護の観点から批判も強まっている。魚を単なる「写真の道具」として扱うことへの懸念があるほか、無人運営の特性上、魚が適切に管理されない可能性が指摘されている。例えば、水槽のガラスには手で触った跡が残されており、「水槽を叩かないこと」「フラッシュ撮影禁止」などの簡単な注意書きしか掲示されていなかった。
40年以上水族館を運営している専門家は「水槽を叩くと魚には非常に大きな衝撃として伝わり、ストレスや免疫低下を招く」と警告する。また、動物解放運動の活動家は、長時間の人工照明や不特定多数の接触が魚に悪影響を与えると指摘している。
現行の動物保護法では観賞用魚も保護対象となっているが、法律の適用は限定的だ。例えば、2020年に動物保護団体が「ヤマメ祭り」を動物虐待として告発したものの、検察は「食用の魚」として罪に問わなかった。動物保護法が主に哺乳類を対象としており、魚類への適用が困難である現状が浮き彫りとなっている。
写真館側は、午前0~7時は魚の休憩時間を確保し、定期的な水換えをしていると説明する。しかし、動物保護団体は「流行を追う形で生物を利用した同様の店舗が乱立する懸念がある。動物を遊戯や娯楽の道具として扱わない意識改革が必要だ」と訴える声も高まっている。
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